くらし 【新春対談】守りたいものがある~誰もが安心・安全に暮らせるまちに向けて~(1)

今回の新春対談は、埼玉県東入間警察署長、入間東部地区事務組合消防本部消防長をお招きし、安心・安全なまちづくりを進めていくための取り組みや想い、展望などについてお話しいただきました。

・富士見市長 星野 光弘
・埼玉県東入間警察署長 友則 歩(とものり あゆみ)氏
・入間東部地区事務組合消防本部消防長 上田 安孝(うえだ やすたか)氏

■市内で発生する犯罪や災害 まずはその実態を知る
市長:新年明けましておめでとうございます。旧年中、友則署長、上田消防長には防犯や防災に関するさまざまな場面でお力添えをいただき、ありがとうございました。本年も引き続き、よろしくお願いいたします。
友則署長は、富士見市、ふじみ野市、三芳町の2市1町を管轄する東入間警察署で署長を務められております。
近年、市内では特殊詐欺による被害が後を絶たない状況が続いていますが、市内で増加する犯罪の種類や手口はどのようなものなのでしょうか。

友則:東入間警察署管内では、昨年より、特殊詐欺による被害が急増しています。侵入盗にいたっては、令和7年11月末時点で、前年の同期比で3倍もの発生件数が確認されており、防犯対策が急務となっています。
こうした特殊詐欺や侵入盗は、匿名・流動型犯罪グループによるものであることが多く、現在、署をあげて捜査および被害の抑止に取り組んでいます。
特殊詐欺の手口で最近多く使われているのが《警察官かたり》です。
実在する警察署からの電話を装い、警察官をかたる人物がビデオ通話を用いて偽物の警察手帳や逮捕状を見せて信用させ「ある詐欺事件であなたに犯人の疑いがかかっている。逮捕されないためには送金が必要」などと言い、金銭をだまし取る手口です。この特殊詐欺では、20~30代の若い世代も被害に遭っています。
また、管内では、自転車盗の被害が後を絶たない状況が続いています。富士見市には3つの駅があり、人の往来が多く駅前や商業施設で被害が増加しているため、ワイヤーロックなどを用いて二重に施錠するなどの対策が必要です。

市長:さて、上田消防長は、2市1町で構成される入間東部地区事務組合の消防本部で消防長を務められております。
近年、全国的に地震や台風、集中豪雨などの大きな災害が発生しており、その脅威は本市においても例外ではありません。
そこで、市内ではどのような災害の恐れがあるのか、近年の発生状況を踏まえてお聞かせください。

上田:近年の富士見市の災害発生状況は、地震による被害は少ないものの、令和元年の台風19号がもたらした豪雨による被害など、水害が多く発生している状況です。台風19号では、市内の一部地域で床下・床上浸水、道路冠水が発生したほか、市内を流れる荒川の水位が氾濫危険水位まで上昇したことからも、今後も豪雨の際には、荒川の決壊には注意が必要です。
続いて、火災による被害ですが、入間東部地区事務組合管内での火災の発生状況は、令和6年に45件、富士見市内では22件発生しています。令和7年10月末時点で管内で39件、市内では13件発生しており、そのうち8件が建物火災でした。
市内の一部に見られる木造住宅の密集地域では、1件の火災が周辺に燃え広がり、大火につながる恐れがあることから、特に注意が必要です。
また、市内の救急件数は、令和6年に7001件、令和7年10月末時点で5608件と前年の同時期と比較すると同程度の件数でしたが、管内全体での救急件数は増加傾向で、毎年のように過去最大件数を更新しています。課題である日中の時間帯に集中する救急要請に対応するため、令和7年4月から日中のみ出動する日勤救急隊を創設し、対応にあたっているところです。

■大切なものを守るために 一人ひとりにできることとは
市長:おかげさまで富士見市は人口の微増が続いており、交通の利便性に加え、子育てに適した環境が整っていることが本市をお選びいただいている理由の一つであると確信しております。
こうした市が持つ良さがある一方で、友則署長と上田消防長にお話いただいたとおり、犯罪や災害の発生の現状における課題があることも事実です。安心・安全なまちを目指していくためには、まずは、現状を真摯に受け止め施策へ反映していく必要があると考えています。
豪雨時の内水氾濫、木造住宅の密集地域における火災時の延焼のリスクなど、本市が持つ特性上における課題に対応するため、災害が発生した際には、公助に加え、自助・共助の取り組みが重要であると考えられています。現在、市内では8つの消防団が地域防災力向上のため活動していますが、自助・共助の取り組みや、地域における消防活動の重要性について上田消防長はどのようにお考えでしょうか。

上田:平成23年の東日本大震災では火災が111件発生しており、原因が特定できた108件のうち58件は電気火災であることが分かっています。この電気火災を防ぐため、ご自宅でできる備えの一つが感震ブレーカーの設置です。感震ブレーカーは、地震を感知するとブレーカーを切断し、自動的に電気を止めることから、地震の二次災害である電気火災を防ぐことができます。
また、火災が発生してしまっても、住宅用火災警報器が設置されていれば、迅速な初期消火や避難行動につながります。火災による被害を最小限に抑えるためにも、こうしたご自宅でできる備えはとても重要であると考えています。
市内で活動する消防団は、その地域に住んでいる方々で構成されることから、地域のことをよく分かっているというのが強みです。我々としても、消防団の皆さんの力をとても心強く思っています。消防団をはじめとする地域の皆さんとともに、災害に立ち向かう覚悟を持ち、引き続き、地域での消防訓練などを通じ、日ごろから連携して消防活動に取り組んでいきたいと考えています。

市長:現在、私は入間東部地区事務組合の管理者を拝命しており、消防署の職員の日々のたゆまぬ努力を身近で感じているところです。もちろん、安心・安全な日々であれば良いのですが、有事の際には、こうした努力が力を発揮するのであろうと、とても頼りにしております。
とりわけ、生命を守るための救急活動ではありますが、不要不急の救急要請が多々あるとの報告もいただいております。こうした現状があることを多くの方に知ってもらう努力も必要で、より有効にこの組織を動かしていくためにも、市民の皆様へ、広報活動を続けていく必要性を強く感じています。