くらし 【特集】富士見市手話言語条例制定10周年 手話がもっと身近になるまちへ(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県富士見市
- 広報紙名 : 広報富士見 令和8年2月号
■手話は重要なコミュニケーション手段のひとつ
手話とは、耳がきこえない人やきこえにくい人が会話をするときに、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する、音声言語とは異なる言語です。
令和7年6月25日に「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」が施行され、手話を使う人にとって手話は日常生活、社会生活を営むうえで、言語そのほかの重要な意思疎通のための手段であると定められました。
■手話を使う方が安心できるために
本市では手話施策推進法制定の10年前、平成27年12月市議会で「富士見市手話言語条例」が可決・成立され、手話言語の理解と普及に努めてきました。
本特集では、条例制定以前から手話言語の普及に尽力されてきた、富士見市聴覚障害者の会のろう者(手話を第一言語として使う聴覚障がいのある人)と富士見手話サークルの皆さんに、条例制定から10年を振り返って社会がどう変化してきたのかを取材しました。手話を使う人が安心して日常生活を送るためには何ができるのかを考え、一歩を踏み出してみませんか。
■条例制定から10年 手話が広がり、変わってきた社会
◇手話に関する主な動き
・昭和53年…富士見手話サークル誕生
・平成3年…富士見市聴覚障害者の会設立
・平成16年…手話通訳者派遣事業開始(富士見市社会福祉協議会へ委託)
・平成18年…〔国連〕「障害者権利条約」採択(手話を言語と定義)
・平成23年…〔国〕「障害者基本法」改正(手話を言語と明記)
・平成26年…あいサポート運動開始
・平成27年…「富士見市手話言語条例」制定
・平成28年…国の手話言語法制定を求め、全国手話言語市区長会が設立
・平成29年…〔国連〕手話言語の国際デー(9/23)採択
・令和3年…障がい福祉課に正規職員として手話通訳者を採用
・令和5年…手話で絵本の読み聞かせ開始
・令和6年…手話狂言ワークショップ開始
・令和7年…〔国〕「手話施策推進法」施行
◇手話サークルの想い…
・手話を使う職員に驚きと感謝を覚えた。
・条例ができて手話が当たり前に使われ、聴覚障がいのある家族の安心につながっている。手話が市民だけではなく、事業所にも浸透してきている。
・娘が通う保育所で手話の読み聞かせがあったことをきっかけに、娘と一緒にネットで手話を学び、手話サークルに入った。
◇ろう者の想い…
・日常生活の場面できこえる人が気軽に身振りでコミュニケーションをとってくれるようになった。
・学校行事に参加する親に手話通訳を呼んでもらえた。
・入院時は手術直前まで手話通訳がつき、麻酔から覚めるときにも手話通訳を呼んでもらえた。
・店員にきこえないことを伝えると、身振りや筆談で丁寧に対応してくれるようになった。指さし案内も増え、やり取りしやすくなった。
■条例制定前 ろう者って何?手話って何?
◇ろう者の想い…
・ろう者と分かるだけで、筆談も面倒くさいと思われていた。
・手話をしていると珍しがられ、手話通訳を呼ぶことが恥ずかしい気持ちになった。
・病院などで自分が呼ばれていることに気が付かず、順番が後回しになることがあった。
◇手話サークルの想い…
・当時の社会は「手話ではなく筆談で」というような感じだった。
・手話の技術などは重視されていない、手話通訳という認識もない。
■条例制定時 うれしい! でも、「形」だけ?
◇ろう者の想い…
・条例制定に向けての行政のサポートが嬉しかった。
・条例制定を喜ぶ反面、条例がうわべだけのものになるのではないかという不安もあった。
・他市から転入してきたが、富士見市の手話への取り組みは積極的だと感じた。
◇手話サークルの想い…
・条例制定の準備委員会では、委員ではないろう者やサークル員も多く傍聴した。
・条例ができたとき、法律もじきに制定されるだろうと思っていた。
■[Pick Up!]市職員(会計年度任用職員)として働くろう者の想い
◇当時は障がいの特性が知られていなかった
平成20年代当時はまだ簡単な手話もできる職員がまったくおらず、やり取りは筆談のみで、会話にずれが生じることもあり苦労しました。
東日本大震災では、地震で一斉に避難した際、職員は音声で状況を伝えてくれていたのかもしれませんが、私には細かな情報が分かりませんでした。今思えば、きこえない人に対する対応が分からなかっただけだと思います。
◇大切なのは目を合わせるコミュニケーション
前任者がいたため、ろう者に対する理解は多少あった状況でした。ただ、長く一緒に働いている職員でも、肩をたたいて呼ぶと驚かれることもあります。コミュニケーションは目と目を合わせることが大切だと感じました。
広報『富士見』で手話の動画を掲載していることや、あいサポート運動と連動したことがろう者への理解につながっていると思います。
■Let’s try! すぐに使える手話を紹介!
広報『富士見』では日常で使える簡単な手話単語を掲載しています(今月号はP22)。動画も配信中です!
◇ありがとう
片手の甲を上に向け、もう片方の手を垂直に乗せ、その手を上げます。
◇こんにちは
人さし指と中指を伸ばし、額の中央に当てます。
問合せ:障がい福祉課
【電話】049-257-6114
