くらし 特集(地域でつなぐ交通安全)

交通事故は、特別な場所で起きるわけではありません。家を出て最初の交差点、いつも渡っている横断歩道、買い物へ向かう途中の路地、暗くなり始めた夕方に自転車で走る帰り道…。それぞれの暮らしのすぐそばに、思いがけない危険が潜んでいます。1日の中で歩行者・運転者の立場が入れ替わるように、交通場面もさまざまに変化します。そのような状況の中では一瞬の油断や思い込みが事故につながることがある一方で、私たちの行動しだいで防げる事故も多くあります。横断歩道の手前ではスピードを落とす、交差点で左右をよく見直す、そんなあたりまえの心がけが、事故のないまちづくりの土台になります。

市内では、交通指導員や警察、日常の中で交通安全に気を配る人たちが、それぞれの形でまちの安心・安全を支えています。立場は違っても、そこにあるのは「事故を減らしたい」「安心・安全なまちであってほしい」という共通の思い。そんな人たちの思いを通して、あらためて私たち1人ひとりにできることを考えてみます。

問合せ:自治振興課交通安全担当【電話】048-768-3111(内線)245

■死亡事故ゼロの地域を目指して
岩槻警察署交通課長 浅野且敬さん
今日からできる地域の交通安全についてお話を伺いました。

○交通事故の発生状況
市内の交通事故発生件数は昨年より減少しているものの、死傷者数は増加傾向にあります。今年はすでに死亡事故が2件発生し、信号無視・一時不停止など、基本的なルール違反に起因する事故が目立っています。例年、脇見運転や安全不確認など、前方への注意が欠けたことで起きる事故が多くなっています。

○慣れた道に潜む危険
「だろう運転」による事故も懸念されています。慣れた道だから車は来ないだろう、自転車は止まるだろう。そうした思い込みが安全確認を甘くし、事故につながるケースが増えています。事故は知らない場所よりも、生活圏内で起きやすい。慣れた道だからこそ、丁寧な確認を心がけてほしいです。

○歩行者の事故防止策
歩行者・自転車についても同様です。横断歩道を歩いているから見えているはず、止まってくれるはず、という意識が事故を招くことがあります。特に夕方から夜間にかけては視界が悪くなり、歩行者が想像以上に見えにくくなります。明るい服装や反射材の着用、自転車のライト点灯など、自分の存在を認識してもらうことがたいせつです。
市内の事故は、通勤・通学時間帯、そして夕暮れ時に多く発生しています。事故防止には、運転者・歩行者どちらにとっても、日常の中の小さな行動が重要です。

○市民の皆さんへのメッセージ
交通安全教育に携わる中で、1人ひとりの意識が変わる瞬間にやりがいを感じます。さまざまな活動を通じて、1人でも多くのかたに交通事故防止への意識を浸透させていきたいです。事故を減らすためには、取り締まりだけでは限界があり、市民の皆さんの意識と行動の積み重ねが欠かせません。
これから年末に向け、交通事故が増えやすい時期になります。歩行者は反射材で自分を守り、運転者は心に余裕を持って周囲をよく確認していただきたいです。私たち警察も関係機関と協力し、来年こそ死亡事故ゼロを実現したいと考えています。

■子どもたちの“安全ないつもの朝”を守りたい
交通指導員 荒井明美さん
子どもたちの元気な声が聞こえてくる朝の通学路に立ち、登校を見守る交通指導員。「子どもが小学生のころに旗当番をやっていたので、朝の時間ならできるかなと思ったんです」と話すのは交通指導員の1人である荒井さん。令和元年から続けている見守りへの温かい思いを聞きました。

○そっと届くひと言
荒井さんが活動の中でたいせつにしているのは、子どもたちへのさりげない声掛け。車や自転車、さらには小さな段差など、通学路には注意するポイントがいくつもあります。「よそ見をしてつまづきそうな子もいますし、最近の車は静かなので近づいても気づかないこともあります。だから、足元気をつけて、車来るよと声を掛けるだけで防げることがあるんです」
一方で、声を掛けすぎると子どもが自分で判断できなくなることも気にかけるといいます。「しつこく言いすぎず、でも必要なときは促す。そこは気をつけています」

○安全は目配りから
見守りの際、周囲へ細かく目を向けながら特に注意を払っているのは車の動き。「まず運転しているかたと目を合わせるんです。止まってくれる気持ちがあるか分かるので。信号が青でも、車が完全に止まったのを確認してから子どもたちを渡らせます」
そして、止まってくれた車には必ず感謝を伝えています。「ありがとうございますと伝えると、こちらも気持ちがいいんです」

○続ける励みになる言葉
暑い日も寒い日も、荒井さんは通学路に立ち続けます。時には心ない言葉を掛けられることもあるそうですが、それでも続けてこられた理由を尋ねると、少し照れくさそうに笑って答えてくれました。「やりがいがあるから続けているんでしょうね。声を出すのも好きですし、子どもたちに声を掛けるのも楽しいんです」
地域の人からの言葉も大きな励みになっています。「お疲れさまですと言われるとうれしいですね。昔見守っていた子が高校生になっても挨拶してくれることがあって、ああ、大きくなったなって思います。私服の日でも交通指導員さんだ!と気づいてくれた子もいて、それもうれしかったです」

○今日も、安全のために
毎朝の横断歩道で、荒井さんは今日も変わらず子どもたちを見守っています。その姿は、誰かを思う優しさが、まちの安全を支えていることを教えてくれています。

○思いを込めた取組みが、地域の安心・安全につながる
地域の安全を支えているのは、警察や交通指導員など特別な役割の人だけではありません。日常の中での小さな行動も、大きな力になります。その思いを形にしている取組みの1つが、高校生たちの活動です。蓮田松韻高校では、交通安全のマスコット「無事カエル」を手作りし、うたやの森フェスティバルや交通安全キャンペーンなどで配布しています。「受け取ってくれた人に少しでも交通安全への意識を持ってほしいです」「一針一針きれいに縫っているので身に着けてもらえたらうれしいです」…生徒の皆さんはそんな願いを込めて、1つずつ丁寧に制作しています。
特別な立場でなくても、日常の中でできる交通安全への関わり方はたくさんあります。通学路で車の接近を子どもに伝えてあげること、夜道では明るい服装や反射材を身に着けることなど、散歩の途中で危険な場所に気づいて市に知らせること、ほんの1つの選択や気づきが安心・安全なまちづくりの力になっています。高校生の手作りマスコット、地域の声掛け、ドライバーのひと呼吸。形はいろいろ。今日の帰り道、明日の通勤・通学で、あなたができる小さな一歩を見つけてみませんか。

お問い合わせ
所属課室:広報広聴課シティセールス担当
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