- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県坂戸市
- 広報紙名 : 広報さかど 2026年1月号
■魚籃観音(ぎょらんかんのん)
◆近隣に例を見ない風変わりな観音様
小沼の少林寺跡には、近隣では珍しい一風変わった観音像が存在します。この観音像は、三十三観音の一つである魚籃観音で、天災や治水の願い、漁業の安全と漁獲の豊かさを祈願する人々の守護神として、江戸時代(享保19年(1734年))から人々の生活を見守っています。
◇トレードマークは足元のなまず
魚籃観音は、本来は海に関連した場所に多く、婦女が魚籠(びく)を持った姿が一般的ですが、少林寺跡の魚籃観音は、大きな魚(なまず)の背に乗っているのが特徴です。気品あふれる観音様が穏やかなまなざしで参拝者を見守っているのに対し、足元の魚(なまず)は大きな口を開けて牙を見せ、髭を垂らした顔は何処か愉快です。また、台座には水面を泳ぐ姿がダイナミックに彫られています。魚に乗った観音様は、東京都や長崎県など日本全国各地にも存在し、各地域の人々の心の拠り所として信仰されています。
◇人々の生活に根付く水神様
当地に残る伝承によれば、水場における毒蛇や水害等の災いを取り除き、イボ取りにも御利益があるとして、地域の人々に広く信仰され、泥団子を供えて願を掛け、願いが叶(かな)うとお礼として米の団子をお供えしたそうです。
近隣に例を見ない、この魚籃観音は昭和58年に市の有形文化財に指定されています。近くにおいでの際は、訪れてみてはいかがでしょうか。
所在地:小沼521-1
問合せ:歴史民俗資料館
【電話】049-284-1052
