文化 ~守り伝えよう~ みんなの文化財

■企画展「幸手市郷土資料館雛まつり」と幸手の際物師(きわものし)「松林斎亀山(しょうりんさいきざん)」の雛人形
3月3日の桃の節供は、その形を少しずつ変えながらも、現代に受けつがれる身近な伝統文化です。幸手市郷土資料館では、これにあわせて収蔵する雛人形を一挙公開する企画展を2月1日(日)から開催します。
展示では、幸手出身の実業家の熊倉良助(くまくらりょうすけ)ゆかりの豪華な御殿飾り雛と雛道具をはじめ、大正時代から昭和時代の段飾りの雛人形や裃雛(かみしもびな)、浮世人形など、色とりどりの雛人形が館内を埋め尽くします。
現在、市内では人形を製造するお店はありませんが、かつては幸手にも「人形作り」産業の歴史と文化がありました。その一つが、幸手の際物師「松林斎亀山」の人形作りです。
企画展では、収蔵資料の中から「松林斎亀山 謹製」というラベルが確認できた幸手ゆかりの雛人形を展示しています。その一つが、昭和初期の内裏雛(だいりびな)で、昭和2年(1927)生まれの娘に贈られたものです。小ぶりな人形(芥子雛(けしびな))ですが、鼻筋がすっと通った気品ある顔立ちの雛人形です。
当館収蔵資料のなかで、松林斎亀山が製作したことが判明する幸手生まれの人形は少ないため、購入年代と作成者が分かるこの内裏雛は、資料的にも貴重です。このほか、潮汲(しおくみ)などの浮世人形があります。ぜひご覧ください。

▽松林斎亀山(しょうりんさいきざん)
絵馬師だけでなく人形師としても活躍した際物師。狩野派の絵師鈴木探妙(すずきたんみょう)の子で、江戸時代末期に幸手に定住したのち大久保家の婿養子となった。

▽際物(きわもの)とは?
正月の男の子の祝いの絵をはじめ、三月の雛人形、五月の鯉のぼりや破魔弓、そして絵馬や地口行灯絵(じぐちあんどんえ)など、季節や年中行事に合わせて作られる物で、その職人を際物師といいます。明治35年(1902)に発行された『埼玉県営業便覧』の幸手町略図中に「際物問屋 松屋 大久保兼吉(おおくぼかねきち)」が掲載されていますが、これが松林斎亀山です。

問合せ:郷土資料館
【電話】47-2521