文化 みよし歴史探訪

■れきしとくらし 第三十八回 中東(なかひがし)遺跡
中東遺跡は、上富地区の関越自動車道東側に広がる、旧石器時代を中心とした遺跡です。旧石器時代には中東遺跡の中を、藤久保地区の富士見江川に続くと考えられる川が流れていました。現在、この川の流れはありませんが、付近の傾斜した地形にそのなごりを見ることができます。この川の両岸に旧石器時代を中心とした遺物が集中していることから、前回の古井戸山遺跡同様、水を得やすいこの場所が当時の人々に選ばれたといえます。

◇中東遺跡の発掘調査について
中東遺跡では現在までに13地点の調査が行われており、4千点以上の遺物が出土しています。遺物は黒曜石を主体とした石器や、調理の際に焼けた礫などで、主に約3万3千年前から1万7千年前の旧石器時代の地層に集中しています。これらの発見から、約1万6千年もの間に、人々がたびたびこの場所を訪れ、石器を作り、狩りをして、獲物を料理するというキャンプ生活を営んでいたことがわかりました。動物たちも水を求めて集まってくるこの場所は、狩りのポイントとして最適だったのでしょう。現在、中東遺跡の場所には遺跡の概要を記した解説看板が立っています。お近くを通った際にはぜひご覧ください。

問合せ:文化財保護課
【電話】258-6655