スポーツ スポットライト
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- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県松戸市
- 広報紙名 : 広報まつど 2025年11月15日号
■松戸から 世界に羽ばたくハードラー
陸上男子110mハードル
日本航空(株)所属
村竹(むらたけ)ラシッド選手
「ハードル競技は、ただフラットに速く走るだけではなくて、リズムよくハードルを跳び越える技術と競り合うライバルとの駆け引きが求められる競技です。跳躍のフォームにもそれぞれ個性があり、ダイナミックで迫力あるレースを楽しんでほしいです」と語るのは、9月に開催された東京2025世界陸上競技選手権大会で男子110mハードル5位に入賞した、松戸市出身の村竹ラシッド選手(相模台小学校・第一中学校・県立松戸国際高等学校・順天堂大学卒)。
昨年のパリ2024オリンピックに続き、2年連続での世界大会5位入賞という記録を「自国で開催される世界陸上という大舞台で、想像を超える声援を受けて走れたことは本当にうれしかったです。結果は不本意で、決勝の後には悔しさがあふれましたが、今はもう気持ちは前を向いています」と語ります。
陸上を始めたのは小学5年生。中学からハードル競技に挑戦し、「練習がめちゃくちゃきつかった」という一中陸上部時代に基礎を磨きましたが、実は高校で陸上を続ける気はなかったそうです。「高校ではもっとハードルの高さが上がるので、当時の自分の体格では厳しいと思っていました。松戸国際高校を選んだのも、国際教養科のカリキュラムに興味があったのと、あとは家から自転車で通える距離だったからです」と笑います。
しかし、先輩の熱心な誘いもあり高校でも競技を続けることを決心。身体も成長した村竹選手は、高校3年生時にはインターハイ・国体・U20日本選手権を制し、〝高校3冠”を達成しました。大学進学後は、日本インカレで当時の日本記録(13秒04)に並ぶ走りを見せるなど、日本のハードル界をけん引する存在に。JALアスリート社員として迎えたパリ2024オリンピックでは、同競技として日本勢初の決勝進出を果たして、短距離種目での歴代最高位となる5位に入賞。さらに今年8月には、日本人初の12秒台となる12秒92の日本新記録を樹立しました。
世界と肩を並べる活躍を続けている村竹選手ですが、「世界陸上の表彰台に上がるには〝時間”と〝経験”が足りなかったのかもしれないです。でも、ここで立ち止まるつもりはありません。自分の強みは安定してタイムが出せることで、平均タイムも毎年0.1秒ずつ縮まってきているので、もっと強く、もっと早く走れるように、これからも練習を積み重ねます」と、より高みを見据えます。
今後の目標について、「アスリートにできるのは、〝競技力で魅せる”こと。良い記録や結果を残すことで、陸上界全体を盛り上げていって、この脚が許す限りメダルを狙い続けたい。2027年の北京世界陸上、そして2028年のロサンゼルスオリンピックに向かってキャリアを積んでいくので、松戸の皆さんにも見守っていてほしいです」と熱く語る村竹選手。松戸が生んだ若きハードラーは、世界でのさらなる飛躍を胸に誓い、これからも力強く走り続けます。
村竹ラシッド選手の東京2025世界陸上5位入賞をパブリックビューイングで応援した様子と、10月4日に「松戸ファンフェスタin松戸まつり」で市民と交流した様子を市ホームページで紹介しています。ぜひご覧ください。
