文化 シリーズ めっけたぁ!!おらがの文化財(108)~南房総市内の文化財を紹介します~

■市指定有形文化財(古文書)
『山名区有文書(やまなくゆうもんじょ)』
所在地:山名(やまな)1248-1(三芳地区)
所有者:山名区

□村のくらしを映した古文書たち
三芳の山名区は、山名川(やまながわ)上流の山あいに広がる集落で、明治時代初期まで山名村(やまなむら)と呼ばれていた地域です。
当区に伝わる「山名区有文書」は、江戸時代初期から大正時代に記された300点以上の古文書群であり、このうち最も古いのは、元和(げんな)4年(1618)作成の『房州山下郡山名村御縄打水帳(ぼうしゅうやまもとぐんやまなむらおなわうちみずちょう)』全6冊になります。保存されている文書の内容を見ると、田畑ごとの面積や所有者などを記した「縄打水帳(なわうちみずちょう)」や、それぞれの百姓(ひゃくしょう)が所有する土地や石高(こくだか)を記した「名寄帳(なよせちょう)」、領主から村に年貢(ねんぐ)の割り当てを通達した「割付状(わりつけじょう)」、領主が村からの年貢を受け取ったことを証明する「皆済目録(かいさいもくろく)」など、村の税や運営に関するものが大半を占めます。
現在、これらの古文書は、区の施設で管理されていますが、かつては歴代の村名主(むらなぬし)や区長(くちょう)が持ち回りで管理していました。これだけ多くの文書を長年にわたり保管していたのは、村落の内外でトラブルが生じて訴訟(そしょう)が起きた時などに、証拠書類として使う可能性があったからだと考えられます。
ほとんどの文書は、ごく普通の行政記録に過ぎませんが、これだけの量がそろって保管されていることは珍しいです。近世から近代における村落の日常を知るうえで、重要な資料群と言えます。

□公開
・非公開

*マナーを守って楽しく見学しましょう。
*見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。

問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963