イベント 殿部田のお囃子復活に向けて

はにわ祭といえば、古代人による巫女の舞。この舞の際に演奏されるお囃子が今回のはにわ祭で久しぶりに復活しました。

巫女の舞は、芝山町指定無形民俗文化財である「殿部田のお囃子」の演奏に合わせて踊っていましたが、担い手不足などの影響で、10年ほど前を最後に演奏が途絶えていました。
「第40回の節目の年に、巫女の舞のお囃子の復活を目指し協力したい」と、有志から声が上がりました。殿部田お囃子保存会もこの声に応えるべく、一緒に稽古をすることになりました。
初の顔合わせは9月17日。殿部田の集会所に集まった保存会の会員と有志は、あいさつもそこそこにさっそく稽古に入りました。保存会の皆さんも久しぶりの演奏で探りながら音を出し、有志の皆さんとの共同作業でお囃子の形を整えていきました。
巫女の舞の練習が始まると、保存会会員と有志で演奏を行い、練習をサポート。久しぶりの生演奏での踊りに、踊り指導の先生方も感慨深い様子でした。
はにわ祭当日。あいにくの雨模様のため降臨の儀は文化センターで開催しました。そのような中でも、長い間一緒に音を重ねてきた保存会と有志の皆さんは息の合った演奏をホールに響かせました。その後芝山仁王尊、芝山公園内のメインステージ、最後にもう一度芝山文化センターで演奏し、古代人たちは昇天していきました。
保存会の方は「もうお囃子は継続できないと思っていたが、一緒に演奏してくれる有志がいてとてありがたい」と語ってくれました。

◆有志のひとり・山室輝美さんインタビュー
多くの人々の思いと行動が重なり、はにわ祭40周年の年に殿部田のお囃子は再び地域に響き渡ることとなりました。本番では、「生演奏のお囃子に合わせて踊る巫女の舞を観られて良かった」と言っていただけたことが、とてもうれしかったです。
今後は、殿部田地区の人々を中心に町全体でお囃子を守り、次世代に引き継がれることを願っています。

◆令和8年度のはにわ祭に向け、お囃子を演奏したい人募集中
殿部田のお囃子を継承し、来年度の芝山はにわ祭で一緒にお囃子を演奏してくれる人を募集します。年齢、性別、居住地、経験の有無は問いません。皆で楽しく演奏しましょう。興味のある方は生涯学習課文化振興係までご連絡ください。
※随時募集しますが令和8年1月31日でいったん締め切ります。

問合せ:【電話】77-1861【E-mail】[email protected]

◆殿部田のお囃子とは
殿部田地区に古くから伝わるお囃子で、本来は獅子舞が伴うものでした。毎年8月6日に日月神社で、台風の被害を受けず収穫が多いことを祈願する「鎮風祭」で演じられてきました。楽器には、大太鼓、小太鼓、大鼓、小鼓、笛が用いられます。お囃子の曲目は「馬鹿囃子」「矢車」「磯辺」「小囃子」「大漁節」などがあります。平成3年6月3日町無形民俗文化財に指定