- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都中央区
- 広報紙名 : 区のおしらせ ちゅうおう 令和7年4月1日号
区では、郷土の文化財として保護する必要があると認めたものを「中央区民文化財」として登録し、区民文化財の中から特に重要なものを「中央区指定文化財」として指定しています。新たに4月1日付で、1件を登録。「中央区民文化財」は合計で、指定7件、登録107件になりました。
■登録種別
中央区民有形文化財 考古資料
■所在地
新富1-13-14
中央区立郷土資料館
■所有者
中央区
■概要
本資料は、平成30年(2018年)4月から同年6月にかけて、日本橋兜町15番18号の区立阪本小学校・阪本幼稚園建て替えに伴う発掘調査で出土しました。これらは、天保13年(1842年)から明治初め頃まで遺跡地に屋敷があった、54万石余の肥後国(ひごのくに)熊本藩細川家に関連する遺物です。
遺物は19世紀中頃から幕末頃の池から出土した陶磁器や瓦です。この池は東西に長い形状をした池で、東西29.3メートル、南北20.9メートルで、深さは1.9メートルでした。登録した陶磁器は、細川家の国元で作られた肥後国産のものです。池から出土したもののうち、遺存度が高く、器種の明確なもの32点や、池以外から出土したものでも、同様に遺存度が高く器種の明確なもの6点も加えました。これらは、碗や皿、小鉢や香炉、壺、花生、土瓶、銚子などです。また、池から出土した細川家の家紋が施された江戸産の瓦3点を加えました。
本遺跡から出土した肥後国産の陶磁器は、屋敷において日常使用以外の目的で使用するために国元から取り寄せられたものと考えられ、区内の大名屋敷の発掘調査では他に例をみないものです。本資料は、中央区の一角にあった外様の大大名細川家の江戸の下屋敷での生活を知る上で貴重な遺物といえ、中央区の歴史を理解するための重要な考古資料です。
■日本橋(にほんばし)兜町(かぶとちょう)遺跡内(いせきない)肥後国(ひごのくに)熊本藩(くまもとはん)細川家(ほそかわけ)屋敷跡(やしきあと)出土(しゅつど)肥後国産(ひごのくにさん)陶磁器(とうじき)・細川家(ほそかわけ)家紋瓦(かもんがわら)
(登録番号109号)
問合せ:郷土資料館
【電話】3551-2167