くらし めぐろで活躍する人を紹介「ひとめぐり」vol.52

子育てを頑張る保護者へ、心と体のゆとりを届けたい

チャイルドサロン
今井 美栄子(いまい みえこ)さん(58歳)

大学進学で地方から上京し、結婚後、大岡山に在住。出版社に約8年勤務し、フリーランスに。自身の出産・子育て中に、チャイルドサロンと出会い、代表を引き継ぐ。活動歴は22年に及ぶ。

■孤独な育児を救った、ワンコインのお預かり活動
大岡山西住区センターを拠点に毎月2回、地域の人たちで未就園児の一時預かりを行う「チャイルドサロン」。平成11年に西部地区の民生委員が立ち上げ、平成14年から活動を引き継いだのが今井美栄子さんです。「子育てを始めた頃、子どもと二人きりの時間が長く、煮詰まりと孤独を感じていました。そんな時、回覧板でチャイルドサロンを知ったんです。まさに求めていた活動! それもワンコインで! と救われる思いでした」。
ところが、数回利用した頃、民生委員の活動として継続できなくなったと告げられたのです。「やめないでほしい」という声が多く上がり、利用者の母親グループで運営を引き継ぐことを決意。以来、今井さんは代表として活動を支えています。

■保護者のためにも、子どものためにも
活動を続ける原点には、「ワンオペママたちに、気軽にリフレッシュする時間を持ってほしい」という思いがあるそうです。「お預かりは最大4時間ですが、短時間でも自分のために過ごすことが子育てのエネルギーになると思うんです。だから利用料は低く抑えています。ボランティアの皆さんのおかげです」。また、子どもにとっては親以外の大人や、他の子どもと触れ合う集団体験ができる場にもなっています。「サロンを卒業した子が、まちであいさつしてくれることもあるんですよ」。

■同じ場所で、変わらず、無理せず
子どもたちの成長を見守ることは、ボランティアのやりがいにつながっています。「子どもから元気をもらえるし、一人で預かるより安心感もあります。メンバーは近隣地域の方々のほか、かつて我が子を預けていた保護者もいます。『おばあちゃんの家みたい』と言われる温かい雰囲気は、明るく笑顔の絶えないメンバーと、連絡や昼食手配を担ってくださるボランティア世話役の三鬼綾子さんや、場所を長年提供してくれている大岡山西住区センターの協力によって生み出されています」。
22年間活動が続く秘訣は、「あえて変えず、無理をしないこと。各自ができることをできる範囲ですることがモットーです」と語る今井さん。「私たちの活動に共感して、他の地域でもやってみたいかたがいれば全力で応援しますよ」。笑顔でそう話す今井さんの言葉は優しさにあふれていました。

●チャイルドサロン
日時:毎月第2金曜日・第4火曜日10:00~14:00
費用:参加費1回500円 ※変更の可能性あり