- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都渋谷区
- 広報紙名 : しぶや区ニュース 令和7年(2025年)6月15日号
◆街を好きになることが、街の魅力を深めていく
◇今後、渋谷の街はどのような都市になっていくべきだとお考えでしょうか?
森地:再開発によってエリアの分断が解消され、住宅街やホテル、オフィス、商業施設がつながることで、渋谷の街を巡り歩く人がますます増えていくのではないかと思います。渋谷がもっと魅力的な街になるために、どのような目的を持っている人に対しても、さまざまな楽しみ方を提案できる多様性のある街になってほしいという思いがあります。そのためには、渋谷駅周辺だけではなく、駅からつながる各エリアに特色があることが非常に重要です。例えば代官山や原宿、神泉、青山といった特色のある周辺地域と一体化することで、渋谷はさらに魅力的な街になります。昔ながらの雑踏と、最先端の街並みを融合させ、制約だった「深い谷」を魅力に変えて、世界中の誰もが訪れたくなるような街になっていくことが理想だと考えています。
◇渋谷の街をより良くしていくために、私たち区民ができることは何でしょうか?
森地:いくら再開発をしても、街というのは人が手入れをしなければ魅力的にはなりません。「渋谷が好き」という思いを持つ人が増えれば、案内や清掃の仕組みもつくりやすくなりますし、観光などで渋谷を訪れる人も、街がきれいに手入れされていれば自然とマナーを守って過ごしてくれます。新陳代謝しながらも歴史や文化を大切にして、規制で縛らなくても自律的にうまく機能する街になっていくといいですね。
◇最後に、区民の皆さんにメッセージをお願いします。
森地:20年以上にわたる長い工事となり、ご不便とご迷惑をおかけしています。1日でも早い完成を目指して、令和16(2034)年度の渋谷駅街区整備完了まで、安全性を最優先に工事を進め、継続的に情報を発信していきます。次の節目は東横線開業100周年の令和9(2027)年です。また、令和12(2030)年度には、スカイウェイをはじめ、ワクワクするようなものが続々と完成し、「まちびらき」のイベントも開催される予定です。生まれ変わる渋谷駅周辺は安全・便利で、とても歩きやすくなりますので、ぜひ、楽しみにしていてください。
※渋谷駅周辺の再開発について詳しくは、本紙12ページをご覧ください。
≪「渋谷のラジオ」で放送中!≫
森地さんへのインタビューは6月17・24日に「渋谷の星」で放送します。
※本紙画像
・谷地である渋谷駅周辺の断面図
駅周辺のビルには縦移動のためのアーバン・コアが設置された。横移動は地下通路やビルをつなぐデッキ通路、そして渋谷駅を挟む坂をつなぎ、渋谷ヒカリエから渋谷マークシティへ抜けるスカイウェイが今後整備される。
・明治通りと国道246号沿いにある渋谷ストリームのアーバン・コア
縦移動の動線が建物の外側に設置されたことで、屋外からも縦移動の動線が視認できる。アーバン・コアは渋谷ストリームの他、渋谷ヒカリエや渋谷スクランブルスクエア、渋谷サクラステージ、渋谷フクラスで供用されている。