その他 新春対談~中野という舞台

■中野区長:酒井直人×小説家 羽田圭介さん
第2回東京中野文学賞で大賞を受賞した芥川賞作家・羽田圭介さんと酒井区長に、中野が持つ多様な魅力や文化について語っていただきました。

◇執筆のきっかけと思い
区長:この度は第2回東京中野文学賞大賞の受賞、おめでとうございます。「その針がさすのは」はどんな思いで書かれたのでしょうか。

羽田:ありがとうございます。大学時代からイベントで用があったり、中野5丁目辺りで飲んだりと、度々中野を訪れていました。小説のネタ帳にはネタが色々溜まっていて、中野を舞台にすればうまく結びつき書けそうだと感じ、書いてみたのです。

区長:描写が鮮明で、中野のまちの雰囲気や空気感がよく伝わってきました。

羽田:人や物、場所等によって流れる時間の質が異なる、というようなことを書くのに、時代により大きく移り変わりつつも過去の跡をどこかに残している中野は舞台として最適でした。

区長:確かに、私も18歳からほぼずっと中野に住んでいますが、特に中野5丁目は昔から雰囲気がほとんど変わっていません。一方で、区役所周辺はどんどん開発が進み、まちの時間が急速に動いているように感じます。変わらない場所と変わり続ける場所が共存しているのが中野の面白さですね。

◇さまよう快楽を楽しむ
羽田:中野では飲食店を出てすぐカルチャーに出会い、自炊派の人にうれしい新鮮な魚屋や肉屋、八百屋なんかもある。バラバラに見えるものが徒歩数分圏内で接続され、コンパクトにまとまっている独特の空気感があります。

区長:確かにそうですね。加えて、人のつながりが生み出す文化も中野の大きな財産だと感じます。上京してきた学生や、長く住む人々が混ざり合い、ひとの時間が多層的に流れているところも魅力ですね。

羽田:カオスと秩序のバランスが心地よく、さまよう快楽を楽しめるのが中野。その面白さを、この小説の中で感じていただけたらうれしいです。

区長:こうしたまちの記憶や空気感を文学として残していくことは、とても意義深いことだと思います。本日はありがとうございました。

■明けましておめでとうございます
中野区長 酒井直人

2026年の干支は、丙午(ひのえうま)。「非常にエネルギッシュで、物事を大きく動かす活気に満ちた年」と言われています。
物価高騰が長く続いており、区民生活に大きな影響が出ています。区民のみなさんが安心して生活できる環境を取り戻すため、区民生活に軸を置いた対策をスピーディーに行っていきます。
今年は、中野区基本構想で描くまちの実現に向けて、今後5年間の区の方向性を示す、新たな中野区基本計画を策定する予定です。子育て先進区の実現、地域包括ケア体制の実現、活力ある持続可能なまちの実現に向けた取り組みを着実に行っていきます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。