健康 フレイル予防のための運動器科学講座が送る健康情報

フレイルは社会全体の病です。老若男女全ての市民の健康と幸せ無くして防げません。このコーナーでは、健康に役立つ情報を幅広くお届けします。

■成長期のスポーツ障害とその予防
JA新潟厚生連小千谷総合病院
理学療法士 森山洋平さん

近年の競技活動の多様化や部活動の地域移行など、小学生から高校生までの成長期におけるスポーツ環境は目まぐるしく変わってきています。
成長期の子どもたちは、骨や筋肉、関節が発達途上にあり、スポーツをする際には特有の障害を起こしやすいです。特に過度な練習や誤ったフォームが原因で起こるスポーツ障害は深刻であり、場合によっては将来的な競技生活に悪影響を及ぼす可能性もあります。こうした障害を防ぐためには、適切な練習計画やトレーニング方法の導入、休養の確保、正しいフォームの習得、身体の成長に応じたケアなどが不可欠です。
そして、理学療法士の視点から特に強調したいのは「ストレッチの習慣化」です。成長期の子どもは骨の成長が筋肉の発達よりも早く進むため、筋肉の柔軟性が低下しやすい傾向にあります。これにより関節や腱に過度な負担がかかり、スポーツ障害のリスクが高まります。運動前の動的ストレッチ(アクティブストレッチ)によって筋肉や関節を温め、可動域を拡げることで、パフォーマンス向上とけがの防止につながります。一方、運動後には静的ストレッチ(スタティックストレッチ)を行い、筋肉の緊張を和らげることが重要です。特に太ももやふくらはぎ、肩周りなど、負担のかかりやすい部位を中心に伸ばすことで、疲労回復を促し筋肉の硬直を防ぐことができます。
好きな競技を楽しみながら、将来にわたって良好なコンディションを維持するためには、成長期だからこそ十分すぎるほどのケアが必要です。競技をしている子ども本人はもちろん、関わっている大人もそれを理解しておくことが重要です。

問い合わせ:健康・子育て応援課健康増進係
【電話】83-3640