健康 健康ミニ講座

■超音波内視鏡~膵(すい)がん診療の強い味方~
膵がんの患者数は近年増え続けており、2023年の年間死亡者数が4万人を超え、肺がん、大腸がんに次いで第三位になりました。
進行した膵がんは手術で切除できないため早期診断することが何よりも大事です。ところが早期膵がんの約8割は無症状ですので、腹痛や黄疸などの症状が出るまでに検査をして膵がんが疑われる異常を発見しなければなりません。
健診の腹部超音波では胃腸のガスが邪魔をして膵臓が十分に観察できないことが多いのですが、超音波内視鏡(胃カメラの先端に特殊な超音波装置がついています)は膵臓の近く(胃の中)から膵臓をくまなく観察できるため膵がんの早期診断に繋がります。
両親、子、兄弟姉妹に膵がん患者がおられる人、慢性膵炎や膵のう胞がある人、糖尿病の新規発症や悪化が見られる人、喫煙量や飲酒量の多い人、BMI30以上の肥満のある人は膵がんのリスクが高いといわれています。
症状が出る前に、ぜひ近くの病院にご相談ください。

高岡市民病院 消化器内科部長 荒木康宏