健康 砺波総合病院から

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■緩和ケア病棟での取り組みと患者さんの声~痛みに対する治療・ケアについて~
緩和ケア科
部長 加登 大介(かとうだいすけ)

緩和ケア病棟では、充実した環境のもと、幅広い技術を持ったスタッフが診療・ケアにあたっています。ここでは痛みに対する治療やケアについて、病棟での取り組みを実際の患者さんの声を交えてご紹介します。

◆痛みに対する治療・ケアの内容
痛みを和らげる手段としては鎮痛薬が主になりますが、痛みの原因によっては放射線治療を組み合わせることもあります。また、鍼灸(しんきゅう)でも痛みを軽減できることが明らかになっており、当院では専門の鍼灸師によるケアを受けることもできます。

◆鎮痛薬
がんの痛みは他の疾患による痛みに比べて和らげることが難しいと言われていますが、適切な薬をきちんと使えば多くの方の痛みを和らげることができます。オピオイドという薬はその代表で、多くの方をがんの痛みから解放してきた実績があります。
(患者さんの声)
「オピオイドを飲んだら、今までの痛みが嘘のようです。久しぶりにぐっすり眠れて、幸せです。」
「お腹の痛みが和らいだら、こんなに食べられました。おいしく食べられて嬉しかった。」

◆放射線治療
医学的に放射線治療の適応がある場合には、主治医から提案させていただきます。実際には放射線治療医からの説明を聞き、同意された場合に治療が始まります。放射線治療は入院しながら受けていただくことが可能です。
(患者さんの声)
「放射線治療の間は、何も痛くなかったです。効果は徐々に出てくる、と聞いています。入院しながら治療が受けられるのは安心です。」

◆鍼灸(しんきゅう)
手や足にあるツボに鍼(はり)やお灸(きゅう)をすると、頭や体の中から痛みを和らげる物質が出て痛みが軽減します。他にも筋肉の緊張を和らげたり、心身ともにリラックスしたりする効果があります。当院では、患者さんが安心してケアを受けていただけるように、痛みや熱さを感じないような優しい方法で施術しています。
(患者さんの声)
「気持ちよかった〜。痛みが軽くなりました。気持ちもすっきりした気がします。また明日もお願いしたいです。」

◆緩和ケア病棟の目指すところ
「痛みを和らげる」ことは緩和ケアにおいて重要なことですが、それはそもそも患者さんの権利であって、最終的に私たちが目指すところではありません。
私たちは「さらにその先」を目指しています。痛みを和らげることが出来れば患者さんと家族に癒やしを与えられ、患者さんに生きる歓びを感じてもらえる。どんな困難な状態であっても、生きている限り歓びを感じてもらうことができると私たちは信じていますし、痛みの緩和はそのための手段だと考えています。
痛みが和らいだ結果、過去を懐かしく振り返ったり、今できることを噛みしめたり、未来を思い浮かべたりして、表情穏やかに歓びに浸れる時間が生まれます。それを共有することこそが私たちの目指すゴールです。当病棟が、がん患者さんの拠(よ)り所となるよう努めますので、どうぞご利用ください。
緩和ケア病棟の入院をご希望の方は、担当の医師や看護師にご相談ください。

問合せ:砺波総合病院
【電話】32-3320