- 発行日 :
- 自治体名 : 石川県津幡町
- 広報紙名 : 広報つばた 2025年5月号
■フレイルについて
理学療法士 川越隼人
みなさん、フレイルという言葉をご存じですか?
フレイルとは「虚弱」を意味し、体重減少、疲れやすさ、歩く速さや筋力の低下などがみられ、放っておくと介護が必要になるリスクが高い状態のことを指します。超高齢化社会を迎え、できるだけ介護や医療などに頼らず、健康で快適な生活を保つことは重要な課題です。
2022年の厚生労働省の発表では、日常生活に制限のない健康寿命は男性72・57歳、女性74・45歳であり、平均寿命を迎えるまでに男性では約8年間、女性では約12年間要介護状態になると言われています。健康寿命を延ばすためには要介護状態になる前のフレイルの段階で手を打つことが必要です。
▽フレイルの予防
フレイルへの対策として次の3つの柱と、口のフレイルの3プラス1が大事なポイントとされています。
(1)身体活動
足腰の弱りや筋力低下がある方は要注意です。週に1回以上は運動や体操を行う習慣をつけましょう。
(2)栄養
食べる量が減った方は要注意です。三食バランスよく食べ、たんぱく質をしっかりとりましょう。
(3)社会参加
自室から出ることが少なくなった方は要注意です。家庭内での役割を担うことも大切です。お出かけの頻度や時間を増やし、家族や友達とおしゃべりしましょう。
▽口のフレイル
最近、食事の際にむせや食べこぼし、固いものが食べられなくなったということはありませんか?
口の働きが衰えている人は食事量が少なく、食べられるものが減って栄養状態が偏り、体力の低下や健康状態の悪化が引き起こされてしまいます。その結果、さらにフレイルが進み要介護となってしまいます。定期的に歯科受診を行い、常に口腔内を良い状態に保ちましょう。
フレイルの兆候を早期に発見して日常生活を見直しましょう。フレイルの方でも、食事に配慮しつつ運動を行うことで、健康な状態に戻ることができることが分かっています。また、フレイルの改善には自治会活動や地域の行事などに参加することも大切です。ぜひ、地域の広報紙などをチェックしながら、参加できそうな行事に参加してみてはいかがでしょうか。