文化 まちの宝を次代へつなごう 甲府遺産

■松林軒(しょうりんけん)の看板
(甲府市中央一丁目)
松林軒豊嶋家は、天保3年(1832)創業の和菓子屋。甲州ぶどうに砂糖をコーティングした郷土銘菓「月の雫」を発案したことで有名な老舗です。認定された看板は、昭和20年(1945)の甲府空襲で焼け跡から客が見つけてしばらく保管後、届けてくれたもの。筆文字で彫られた店名には傷があり、土台の木板は焦げて真っ黒に炭化しています。年中行事や冠婚葬祭などで長らく愛用されてきた当店は、砂糖が貴重だった戦時下、地元の人々にとっても希望の存在だったのでしょう。
一面が焼け野原となった甲府。当時の人々がどんな思いで自分たちのまちをみつめ、絶望から立ち上がったのか、平和に暮らせる今がいかにその復興の礎の上に築かれているかを感じずにいられません。

・甲府遺産とは
・詳しくは親子だるまブログ[店に戻ってきた看板]へ
※詳しくは本紙をご覧ください。

身近にある未指定の文化財を「甲府遺産」として認定し、より多くの方に知っていただく事業がスタートしました。地域に伝わる宝を、たいせつに受け継いでいきましょう。

問合せ:歴史文化財課
【電話】055-223-7324