くらし 活動内容を紹介します 地域おこし協力隊活動だより Vol.30

■高遠石工の石造物を楽しく身近に
高遠石工まちづくり研究員
山本 祐介(やまもと ゆうすけ)さん
令和6年4月に地域おこし協力隊に着任。「高遠石工まちづくり研究員」として高遠石工やその石造物(石仏や石碑など)をテーマに、新たな魅力の発掘・発信と、それらを活用した取り組みを行っています。

遠石工の石仏や石造物をPRする担当をしています。これまでに、「高遠石工の石造物を楽しく身近に」という思いで、SNSで連載する石仏マンガの「いなぽとけ」や「小学生によるオリジナル石仏絵画コンテスト」、「高遠臼による石臼そばの実挽き体験」などを行いました。
人間は難しいことを聞いても聞き流してしまうので、まずはマンガや、絵を描いてもらったり、石臼体験をしたりするなど、興味のフックをいろいろ考えて石造物を再認識してもらうきっかけづくりに取り組んでいます。
去年初めて建福寺の三十三観音を見たときに思ったことは「今まで見た仏様とは造り込み度が大きく違う」ということでした。また、いろいろと石仏・石碑巡りをした中で印象的だったのは、石碑の文字が読めないことがあり、隣の畑で作業をしていた地域の方に「何て書いてあるか分かりますか?」と聞いたときに、「25年ここに住んでいるけど全然分からないなぁ」と言われたことでした。石仏に関しても伊那市の方に聞いてみると、良いものだとは聞いていても「お寺によくあるお地蔵さん」と感じている印象を受け、これは自分が地元にいたときに道で見たお地蔵さんに感じていた印象と同じでした。それはそのとおりで、ずっとこの地に住んでいる人は「高遠石工の石仏がお地蔵さんの基準になっている」と考えられ、県外のものと見比べることがなければ、この地の石仏の造形美に気づいていないかもしれないなと感じています。
しかし見方を変えると、いわゆるクチコミの「ブルーオーシャン(競争のない分野)」ではないかとも思っていて、地元の方々が高遠石工の石造物の魅力を再発見したとき、それは「伊那市の6万人の皆さんが高遠石工の広報」になる瞬間でもあり、県外の友達に石仏を勧め、さらにその友達がまた勧め…というクチコミのスパイラルになるのではないか、とも想像しています。

問合せ:地域創造課 移住定住促進係