- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県中野市
- 広報紙名 : 広報なかの 2026年2月号
■中野市の自然
◇国の天然記念物
「十三崖のチョウゲンボウ繫殖地」
中野市から山ノ内町にかけての夜間瀬川沿いにある十三崖は、中野市側が1953(昭和28)年に「十三崖のチョウゲンボウ繁殖地」として国の天然記念物に指定された。指定理由は、1952(昭和27)年に約40羽が確認されたチョウゲンボウの集団営巣が貴重だからである。しかしその後営巣数は減少し、2025年は営巣が確認されていない。その原因として2010(平成22)年から十三崖で営巣を開始した天敵のハヤブサの存在が思い浮かぶが、それ以前も個体数は激減している。では、減少原因は何なのか?
チョウゲンボウの巣近くにハヤブサが飛来した回数と主食であるハタネズミの数がチョウゲンボウの営巣数に関係しているのかを、12年間のデータから一般化線形モデルという手法を用いて解析した。その結果、営巣数の減少にはハヤブサの飛来回数は関係なく、ハタネズミの減少が関係していた。
中野市ではハタネズミは水田に多く生息することが確認されている。1950(昭和25)年頃、十三崖周辺には約250ヘクタールの水田が存在していた。しかし2020年には約11ヘクタールにまで減少し、逆に餌場としては利用しづらいブドウ果樹園が約280ヘクタールに増加した。
ブドウ栽培は中野市の主要な産業である。十三崖のチョウゲンボウの復活には、ブドウ果樹園を餌場として利用できる工夫が必要である。
本村健
生涯学習課学芸員
