- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県飯山市
- 広報紙名 : 広報飯山 令和7年6月号
■互いの違いを認め合える社会に
〜人権政策課に相談いただいたAさんの体験を通して〜
私たちは皆、誰であろうと「違い」をもっていて、その「違い」を理解するのは自分事でないと難しいと思います。けれど「違い」を認め合うことができれば、誰もが今より暮らしやすくなるのではないでしょうか。
私は、見た目からはわかりませんが、「におい」にとても敏感で、特に揮発性の化学物質のようなにおいを吸い込んでしまうと3日も寝込んでしまうことがあります。小学生の時に油性マジックの臭いをかいだ時に体調を崩し、自覚しました。以来気をつけてはいますが、見えない物なので、吸い込んでしまって体調を崩し、仕事に行きたくても行かれない日もありました。コロナ禍では対策の為にあらゆる所にアルコールが置かれていたので、吸い込んでしまう機会が増え、体調を崩すことが続きました。薬を飲んですぐ治るのならどんなにいいかと思っています。
ある職場の上司が「感知する能力の違いで、治すことはできないんだから君のままでいいんだ。十分に人の役に立っている。もし君が働きにくいなら、長い目で見れば健常者にとっても良い環境とは言えない。だから改善した方がいいんだ。」と言ってくださいました。
「合理的配慮」という言葉のない時代にこのような考えを持っておられ、配慮していただき、長く勤める事ができました。
自分の周りに同じ症状の人はいないと思い、インターネットで調べて、相談先を見つけました。私は「科学物質過敏症NPO法人」という所に相談しています。
この人権学習シリーズを読んでくださった方に「こんな症状もあるんだ」「○○さんも見た目ではわからないけど○○で困っているって言ってた」と気づいて、知っていただけるきっかけになれば幸いです。