- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県木祖村
- 広報紙名 : 広報きそ 393号(令和7年11月27日発行)
■SLの復活に想う
広報きそ9月号の表紙にも掲載されましたが、8月31日(日)に村民センター前に屋外展示されている蒸気機関車「D―51」の塗り替え作業が行われました。
このSLは昭和48年から現地で保存され、永く村民に親しまれてきましたが、近年は塗装の劣化が著しく、車体に白っぽさが目立ってきていました。
そこで、木祖村公民館と蒸気機関車保存会の皆さんに加え、ボランティアの皆さんの参加を得て、古い塗装を落とす作業も含め、延べ66人の皆さんの協働作業により、「デゴイチ」は見事に生まれ変わりました。
作業に関わっていただいたすべての皆様に心より感謝申し上げます。
昨年、担当部署から、「SLの塗装が劣化している。専門業者に委託して塗り直したい。」との相談を受けました。
その時私は、この事業は、日ごろ私が申し上げている、「共感・協働・共創による村づくり」や「皆でやらまいかの精神」を体現するもので、業者委託ではなく、村民による協働作業として行うよう検討して欲しい旨を申し上げたところです。(決して事業費をケチったわけではありません(笑))
確かに専門業者にお願いすれば、仕上がりは数段上でしょうし、素人では手が届かない隅々まで塗ることができるかもしれません。
しかし、皆で楽しく塗れば、思い出にもなりますし、何よりSLに対して愛着が湧くとともにこれからも大切にしていこうという気運も生まれます。
その結果、SLは在りし日の輝きを取り戻し、これからも村民に愛され続けていくことでしょう。
当日は、愛好家のご厚意により、Nゲージの展示走行も行われ、多くの子ども達も見に来てくれて思い出深き日となりました。
私も「言い出しっぺ」であることから、皆さんと一緒に作業させていただきましたが、見る見るうちに美しさを増していくSLを見て、「皆でやることの大切さ」を改めて実感した一日でありました。
木祖村長 奥原秀一
