- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県白馬村
- 広報紙名 : 広報はくば 2025年12月号 Vol.591
昨年の「令和の米騒動」以降、米をめぐる状況は大きく変化しました。10月に新たな政権が発足し、米の増産方針から需要に見合った生産方針となりました。
このことも含め、日本の農業政策は猫の目のようにコロコロ変わるため「猫の目農政」と言われてきました。農業は、国民の食生活を支えるための産業です。県・市町村は、国の方針を基本に農業施策を進め、地域の農業者は、自治体やJA等からの情報を通じ、物価高騰や将来的な見通しを考慮し、作付け面積を決定します。
◆令和の米騒動
米の流通不足等による小売価格上昇、取引価格上昇現象です。複数要因が考えられます。
1.産地の不作
猛暑による米どころの不作や一等米比率低下、精米時の歩留まり低下等に全国的に供給量が減少した。
2.インバウンド効果
外国人観光客の増加により、米の需要が高まった。
3.備蓄需要の増加
令和6年8月の南海トラフ臨時情報等により家庭の備蓄需要が高まった。
4.米不足報道による消費者心理
連日の米不足報道による、買いだめの消費者心理が高まった。

◆米の生産数量
国は、主食用米の年間消費量が減少するなか、平成30年産から「生産数量目標(いわゆる減反政策)」から「生産数量目安値(各地域の需要に応じた生産数量を割振り、生産調整の協力をお願いする)」政策に移行しました。
あくまでも「目安」なので、数量以上に作付けする地域もあるなか、米どころの北アルプス地域は、需要と供給のバランスのために、割振られた数量内で米生産を行ってきました。
白馬村は、大規模農業法人が、そばや大豆等を栽培することにより、米の目安値内に収まるとともに、耕作放棄地の増加を防いできました。
◆令和7年産米の概算金
概算金とは、農家がJAなどの集荷業者に出荷した際、正式な販売価格が決まる前に一時的に前払いされるお金です。これは農家の資金繰りを支える役割があり、販売見込み額から経費などを差し引いた差額が、後日、追加で支払われます。概算金は、その年の米の店頭価格の指標にもなります。
(参考)
JA大北の令和7年産米の概算金は、令和の米騒動により、主力のコシヒカリA1等米が28,020円(1俵60kgあたり)です。前年の16,080円から11,940円の上昇となりました。
◆物価高騰の影響
米生産に必要な農業機械、肥料資材価格等は、物価高騰により大きく上昇しており、農家は大きな影響を受けています。
白馬村は、国の交付金を活用し、農業振興のために、令和4年度から営農規模に応じ、肥料資材等高騰対策支援を実施しています。
お問合せ:白馬村役場 農政課
【電話】0261-85-0766
