- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県木島平村
- 広報紙名 : 広報きじま平 令和8年2月号
◆苦味の力
温暖化で海面水温が上がるため総降水量は増えますが、暖かいので降雪量は減るそうです。たまたま寒気が強い時にはドカ雪になります。そのためか村周辺も思いのほか積雪があります。それでも暦の上ではすでに春です。そして、この原稿を書いているのは熱い選挙戦の最中です。そこでちょっと早いようですが、楽しみにしているのがフキノトウです。天婦羅、フキ味噌の独特な苦みが好きです。
人間の基本的な味覚は甘味、塩味、旨味、酸味と苦味と言われます。味覚は人間が生きていくために必要なセンサーです。甘味はエネルギーのもとになる糖分、塩味は体の機能維持に欠かせないミネラル、旨味はタンパク質を構成するアミノ酸など、身体や活力を維持するために必要な物質の存在を教えてくれます。
一方、酸味は腐敗を、苦味は毒の存在を教えてくれます。ただ苦いもの全てが毒ではありません。経験が少ない子供はどんな毒があるのか知りません。そのため苦味の味覚が発達していて強く感じるため嫌います。大人になり、経験を積み、苦くても毒のないものの区別ができるようになると苦味神経が減り、むしろ美味しく感じます。コーヒーやゴーヤ、ピーマンなどです。
「良薬口に苦し」 孔子が王の行いについて述べたと言われます。真心から出た部下の忠言は耳に痛いが、信用できる。毒ではありません。逆に忖そん度たくして、言うことを聞くだけの部下では国が亡びるということです。これは王にだけではありません。苦い言葉に耳を背け、甘い言葉だけ聞き、最後に苦虫を咬かむことにならないようにしなければなりません。
木島平村長 日䑓 正博
