くらし 地域おこし協力隊通信 Vol. 105

(秋山地区担当 兜森陽平)

徐々に国道の雪壁が高くなって参りました。
雪というのは、うまく行ったこと、やり遂げたこと、そうでなかったこと諸々を覆い、春まで忘れさせてくれる、雪国特有のリセットのようなものです。
毎朝、家の中は氷点下ぎりぎりですが、薪を焚べるというのはとても豊かなことだと感じます。外から秋山へ訪れる人もいなくなり、個人的にはこの時期の暮らしが一番心地よいです。静けさばかりというわけでもなく、残された動物の足跡がにぎやかで、追っていくと寝床があったり、樹皮をかじった跡があったりします。やつらも厳しい季節を耐え忍んでいるのだなあ、と感じます。
今年は鉄砲を持つ許可が下り、鳥を撃ったり、猿を脅かしたりしています。動物を飼っている身として、自分で命を奪うことに気持ちの折り合いがつくのかな?という心配もありましたが、やってみないと分かりません。人は自分より大きいものを仕留めるときに、畏怖や敬意の気持ちが湧くと聞いたことがあります。そういった心の機微も観察していこうと思います。
はじめて自分で撃った鴨をさばいていただいたとき、ただの「味」ではない、込み上げてくる生命エネルギーのようなものが口の中に残りました。生命維持の根幹である「食べること」。栄村の人々は自分で「つくったり、とったり」して、食べることに真摯に向き合っています。それは当たり前なことかもしれませんが、そういったことを人任せにしないのは楽しいことです。