スポーツ 「輝く恵那人」245人目

■軟式球児、夢の甲子園へ 高校軟式史上初 甲子園の舞台に立つ
5月5日(月)(祝)に行われた全国高等学校軟式野球選手権大会70回記念春の軟式交流試合in甲子園。県で一人の出場枠に選抜されたのは、恵那高等学校の軟式野球部で副主将を務めた岩山大翔さん。高校軟式野球の歴史上で初めて、甲子園球場の舞台に立ちプレーをした。
小学4年生から野球を始めた岩山さんが甲子園を夢見たのは5年生のとき。甲子園の試合を観戦し「いつかここでプレーしたい」と憧れを抱いた。中学校では野球部に所属し、3年の春からはキャッチャーとなった。高校進学の時、甲子園の夢を叶えるため硬式野球部のある高校と直前まで迷ったが、大学進学を見据えて硬式野球部のない恵那高等学校に進学。同校の軟式野球部に所属した。甲子園は夢のまま終わると思っていた。
同校の軟式野球部の部員は約20人。規模の大きなチームではなく、練習時間は1日2時間と、他校に比べて圧倒的に短い。そんな限られた練習時間を大切に、効率と質を重視し、つなぐバッティングや岩山さんの強みでもある守備を磨いてきた。昨年11月、練習の成果を発揮し、同部が秋の東海大会で見事優勝。静岡商業高等学校との決勝戦では、フォアボールからの送りバント、盗塁、たたきというつなぐ攻撃で1点をもぎ取り勝利。岩山さんは「仲間のおかげでつかんだ優勝」と振り返る。
同大会などの活躍が評価され、甲子園での記念大会に選抜された岩山さん。「全国の選抜選手らはみんな野球への思いが強くてうまかった。そんな場で戦えたことが自信になった」とほほ笑む。
6月で部活を引退した岩山さんは数学教師を目指し受験勉強に励んでいる。「勉強のイメージが強い恵那高も、部活に本気で向き合う仲間がたくさんいる。恵那高や軟式野球部をもっと知ってもらいたい」と、母校への愛を胸に未来へ向かって大きく羽ばたいていく。

◆岩山大翔(ひろと)さん (17歳)
□プロフィル
恵那高等学校3年生。軟式野球部で副主将を務め、ポジションはキャッチャー。休日も中3と小5の弟と公園で野球をしたり野球ゲーム「プロスピ」で遊んだりして、野球漬けの日々を送る。好きな漫画は「ドラゴンボール」。中学生の頃は「スラムダンク」などのスポーツ漫画に熱中した。