文化 未来に繋(つな)ぐ みのかもの70年 第18回
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- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県美濃加茂市
- 広報紙名 : 広報minokamo 令和7年10月号
■朗読のまち美濃加茂
1996(平成8)年、美濃加茂市が制定している坪内逍遙(しょうよう)大賞に、女性声優の草分けである加藤道子(かとうみちこ)さん(1919~2004年)が選ばれます。その記念事業として、市民向けの朗読講座が市内五つの会場で行われ、400人を超える参加者が熱心に指導を受けました。その後、朗読を愛する市民により実行委員会が結成され、1997(平成9)年の7月から11月までの間に、東京にある放送表現教育センターの山内雅人(やまのうちまさと)さん(1929~2003年)による朗読講座が5回実施されました。その成果は美濃加茂市文化会館で行われた、第1回朗読フェスティバルで発表されました。
市民主体の実行委員会は、1999(平成11)年5月に「みのかも「声のドラマ」の会」と形を変え、現在までさまざまな朗読活動に取り組んでいることから、周辺から「朗読のまち・美濃加茂」と呼ばれるようになっています。1997年から始まった朗読講座は現在も続いており、習熟度に応じたクラス編成がされ、市内のみにとどまらず県内各地や愛知県からの参加も多くあります。また、経験を積んだ受講生の中から指導者が生まれ、初心者向けの講座の講師を務めています。
みのかも文化の森が開館してからは、自由なスタイルで朗読を楽しむ「春・朗読の一日」が開催されました。毎月第三土曜日の午後には、みのかも文化の森の緑のホールで、みのかも「声のドラマ」の会が主催する「森の朗読会」が開催されており、今年10月に通算255回を数えます。また、文化交流協定を結んでいる早稲田大学において、同会が過去に3回朗読公演を行ったことも、広い展開として特筆すべきことです。
みのかも「声のドラマ」の会の朗読は、みのかも文化の森の活動にとっても欠かせない存在になっています。展覧会での関連イベントのほか、授業で来館する子どもたちに対して、物語や絵本などの朗読を通して臨場感あふれる情景を伝え、学びの深まりに大きな効果を上げています。
◆[Pick Up]「FMららでの放送」
可児市、美濃加茂市、御嵩町を放送エリアとするコミュニティFM放送局「FMらら」の中で、みのかも「声のドラマ」の会は定期的な朗読番組を持ち、会員が交代で担当しています。
市内各地に伝わる伝説や、美濃加茂生まれの津田左右吉(つだそうきち)の子どものころの思い出を綴(つづ)った話など、放送内容はさまざまです。いずれもこの地域の文化を朗読で表現しているもので、音声によるアーカイブ化という意味でも社会的意義のある活動と言えます。
問合せ:みのかも文化の森/美濃加茂市民ミュージアム
【電話】28-1110
