- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県美濃加茂市
- 広報紙名 : 広報minokamo 令和7年10月号
■「平和は当たり前ではない」
この夏、「火垂るの墓」を見ました。幼い頃に見た時とは異なる感情や思いが湧き上がってきました。一つの映画でも、年齢や経験を重ねることで見える角度が変わります。
歴史を振り返る難しさは、現在の価値観で当時を一方的に判断できないところにあります。当時の生活や習慣、情勢を知らなければ、本当の姿を理解するのは容易ではありません。しかし確かなことは、多くの先人が戦争や戦後の過酷な生活を受け入れ、次の時代のために力を尽くしてくださった事実です。私たちはその積み重ねの上に、今の平和と発展を享受しています。
だからこそ「平和は当たり前ではな「平和は当たり前ではない」い」ことを心に刻まなければなりません。そして「なぜ戦争は起こってしまうのか」という問いを、繰り返し自分自身に投げかける必要があります。ピースフォーラムの派遣生の皆さんから「答えは簡単ではないが、これからも仲間と共に考え続けたい」そんな声を聞き、心強さを覚えました。
戦争を招かないために、日々すべきことがあります。記憶の継承、対立を避ける丁寧な対話、小さな不正義や差別への敏感さ。そして、損得ではなく相手を尊重して共に生きる姿勢。
この瞬間にも世界のどこかで起こる悲劇に対して、私たちができる行動は何か。目をそらさずに問い続け、実行することこそが、今を生きる大人に課せられた大きな責任だと思います。
