- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県富加町
- 広報紙名 : 広報とみか 令和7年10月号
■このまちのかたち1
地域の歴史に関わる「史料」は断片的に時を経て我々の傍らにひっそりと遺っています。社寺仏閣・美術工芸・伝統芸能・考古資料など形態は様々ですが、これらは富加町の辿ってきた道程を今に伝えてくれています。これらを「歴史の断片」という視点で紹介し、みなさんと一緒に富加町の姿・形について思いを巡らせてみたいと思います。
▽旧石器時代のナイフ形石器
今のところ富加町で発見された最も古い道具といえます。教科書的には今から1.5万年以上前に槍先として製作されたもので、形を整えるための連続した精緻な加工がみられます。タウンホールの東側で実施した試掘調査で発見されました。小型の槍先ですので小動物を対象としたもので、タウンホール周辺が集団狩猟の狩場だったのでしょう。多くのハンターが駆け巡っていたのかもしれません。狙いを定めて投じた槍が回収されることなく数万年も忘れられたのでしょうか。ハンターの落とし物かもしれませんね。富加町では他にも高畑の恵日山付近にて旧石器時代の石器が採集されています。ナイフ形石器は資料館にて常設展示しています。ぜひご来館ください。
