くらし 〔特集〕祝 卒業! 白川町地域おこし協力隊

令和7年9月30日をもって、地域おこし協力隊の山本圭汰さんが3年間の任期を終えられました。また、地域おこし協力隊の澁谷尚樹さんも、令和7年12月31日をもって3年間の任期を終えられます。白川町の活性化に尽力されたお二人に、それぞれの活動や今後の展望について語っていただきました。

■山本　圭汰さん
岐阜県各務原市出身。過去に警察官として勤務した後、大手通信キャリアのショップで店長を務める。映画『WOOD JOB!』をきっかけに林業に興味を持ち、「鉄砲を持ちたい」という願望と共に白川町地域おこし協力隊に着任。

3年間の任期中、多くの方々とお会いし、皆様の温かいご支援のおかげで、無事に職務を終えることができました。
今後も白川町の一員として、微力ながら地域に貢献できるよう尽力してまいりますので、引き続き、温かいご支援、ご声援をよろしくお願いします。

▼活動について
主に町内の林業事業体や個人事業主のもとで現場研修を行い、林業技術を習得しました。チェーンソーによる間伐・特殊伐採、下刈り、重機オペレーター、材木運搬など、多岐にわたる実務経験を積みました。
また、白川町猟友会・有害鳥獣駆除隊に所属し、地域の鳥獣害対策を担いました。猟銃や罠による大型獣の捕獲、止め刺し、轢死獣の回収など、狩猟・駆除活動の最前線で地域課題に向き合いました。
さらに、築いた信頼関係を基に、消防団活動や自治会活動に積極的に参加しました。地元の伝統芸能である地歌舞伎に出演するなど、地域文化の継承にも尽力しました。

▼印象深かった出来事
初めてくくり罠で鹿を捕獲し、止め刺しをした時のことは忘れられません。
目の前で怯える鹿の姿を見た瞬間、ためらいが生じました。しかし、同時に夜通し作物を守る農家の方々の厳しい現状を思い起こしました。
これは猟師として避けては通れない道だと腹を括り、使命感を持って処置を遂行しました。命の重さと向き合うその時の衝撃的な感覚は、今でも鮮明に残っています。この経験が、有害鳥獣対策への強い決意を固めるきっかけとなりました。

▼卒業後について
任期中と同様、今後も林業と狩猟の二足のわらじで生計を立てていく予定です。
林業と狩猟に付随する関連事業の展開も視野に入れつつ、活動を継続します。また、白川町で購入した家と山林をしっかりと手入れ・管理していきます。
将来的には林業の法人化、そして新規ハンター育成を通じた後継者づくりにも尽力し、地域資源を守りながら持続可能な社会の形成に貢献していきます。

■澁谷　尚樹さん
大阪府岸和田市出身。大阪教育大学大学院を卒業。その後、メーカーでの営業職やサッカースクールの運営に携わる。自然の中での暮らしと文章を書く仕事に興味を持ち、白川町地域おこし協力隊に着任。

これまでの活動を通じて、さまざまな年代の友人、下赤河の飲み好きな方々、増田のご近所さん、消防団の方々、フットサル仲間、一緒にサッカーをする子どもたち、取材にご協力いただいた方々など、本当に多くの方々に助けていただきました。
これからも皆様に助けていただくことと思いますが、その分、私もこの町で誰かの助けになれるよう、地域に貢献していきたいです。

○12月17日(水)18時～
@町民会館大研修室
活動報告会
ぜひご来場ください!

▼活動について
白川町の地域メディア『ヤゴーシラカワ』の運営を担当しました。「地元の想いが、かたらうところ」というメディアコンセプトのもと、取材をして約90本の記事を作成しました。
他には、SNS発信、冊子の作成、毎月のFMららの番組出演なども行いました。「仕事の1時間のお昼休みに川遊びをする!」動画は、たくさんの人から反響があって嬉しかったです(笑)。
また、実際に人がつながる機会をつくるため、『ヤゴーシラカワ古本祭』と題した古本市イベントを主催したり、町内外のイベント出店も行ったりしました。

▼印象深かった出来事
取材した方が亡くなられた際、ご家族が記事を読んですごく喜んでくださいました。
その方のお別れ会では、遺影にヤゴーシラカワの写真を使い、会場では記事を印刷して配ってくださいました。
記事をつくることは、その人の一部を切り取って見せてしまうもので、怖い作業です。だからこそ、いつも丁寧に文章を書きたいです。取材を受けてくださった方やご家族が喜んでくださるのは励みになると同時に、少しでもその人の“想い”が伝わるものを形として残せて嬉しかったです。

▼卒業後について
今後も『ヤゴーシラカワ』の業務に関わっていく予定です。
また、来年4月からを目途に、週末は赤河の自宅を本屋(ブックカフェ)としてオープンしたいと思っています。記事を通してだけでなく、実際に人と人が会ってつながる場所をつくりたいです。