くらし 村長室から

待ち遠しかった春が足早に近づいて来る気配を感じます。
「止まない雨は無い」とか、「明けない夜は無い」とか自然の摂理により季節は巡ってくるかもしれませんが、禅の言葉に「梅、春を開く」という言葉があることを知りました。「春が来るから梅が咲く」のではなく、「梅自身が春を開く」という意味だそうです。自然の恵みを感謝する心も大切ですが、自ら何かを成し遂げようとする心もまた大切という事を説いている言葉と理解しました。

4月は、年度始めとしてさまざまな立場でスタートダッシュが必要な時です。地域の皆様と力を合わせて、令和7年度を実りの多い年となるよう力を注いでまいります。その意味でも本稿では令和7年度予算のなかで特に力を入れた重点項目について説明してまいります。
令和7年度予算では第六次総合計画の3年目となりますが令和6年度に引き続き
(1)人口の安定を図る
(2)人口規模に合った社会インフラ整備
(3)人生100年時代に向けた対応
(4)地域資源の活用
(5)自然を守る取組
の5項目を重点項目としました。
次に令和7年度予算の特徴的なことについて説明してまいりますと、第一に国の働き方改革や賃金上昇への動きにより、民間の給与水準の上昇に合わせて公務員の給料も人事院勧告により大幅な給与改定への対応が必要となってきたことが挙げられます。村では令和6年度の人事院勧告の実施を令和7年度4月まで延期してきましたが当初予算対比で6,000万円を超える人件費の上昇がありました。これについては国の交付税措置があるという事で地方交付税を15億7,500円見込み、財源としました。今年の春闘の結果などを見ると令和7年度も相当な賃上げが予想され、今後の人件費の伸びを極力抑えていく必要を感じて機構改革に取り組んでまいります。
第二に「ふるさと納税」の順調な伸びにより1億円を目標として令和6年度の実績も含めて、1億5,000万円の基金繰入金を計上できたことが挙げられ、実質約9,500万円を一般財源として活用できたことです。
歳出予算については右ページで詳しくお知らせしていますので重複は避けますが、3月の議会定例会では予算案に対し(1)診療所の新体制について(2)公共交通について(3)義務教育学校開校に向けてなど多事細部にわたり活発なご意見、質疑がありました。こうしたご意見を参考に人口減少への対応、物価高などで疲弊する地域産業への助成、安心して暮らせる福祉の充実など持続性のある村づくりへ私自身、3期目の最後の年度として職員とともに邁進してまいります。

各地で起きている山火事などの災害を教訓に、火災防止と交通安全に留意していただきながら美しい東白川村の春を楽しみ健やかにお過ごし下さい。

令和7年4月
東白川村長 今井俊郎