くらし 次世代に語り継ぐ 終戦80年を迎えて

8月15日、先の大戦の終結から80年を迎えます。戦地で亡くなった県出身者は7万人以上にのぼり、県内各地は100回以上の空襲で焼け野原になりました。先人たちが築いてきた平和をこれからも守り続けていくため、県では、戦争体験者や御遺族の声を映像記録として残すなど、戦争の悲惨さや平和の尊さを次世代に語り継ぐ取り組みをしています。

■平和への思い
●[戦争体験者の声]戦争は絶対やってはいけない
加藤 源一さん
(100歳/静岡市葵区在住/シベリア抑留体験者)

19歳で召集、終戦後シベリアに抑留されて、酷寒・飢餓の地で重労働を強いられました。故郷や最愛の家族を想いながら耐えに耐え、困窮した生活の中、多数の仲間が無念の死を遂げました。
大切な人を奪い、全てを一瞬にして灰にする「戦争」。戦争が引き起こす悲惨な現実は、世界中の人が思い知らされているはずなのに、今なお悲劇は続いています。
体験者として、戦争の記憶を風化させたくありません。世界の紛争やテロが一日も早く終わり、平和が訪れることを願ってやみません。

●[御遺族の声]戦争を知らない私が、父の経験した戦争を語り継ぐ
増田 幹夫さん
(77歳/御前崎市在住/父は海軍予科練習生として入隊、伯父は伊豆諸島近海で戦死)

私自身は戦争を知りません。でも、戦争を生き抜いた父がいました。伯父は伊豆諸島近海で亡くなり、いまだ海底に眠っています。父の記憶を語り継ぐこと、それを聞いて「自分に関係があること」と思ってもらうこと、それが私の使命です。

・学生特派員がさらにお話を聞きました
【HP】https://fmc.pref.shizuoka.jp/article_post/8494/

●戦争犠牲者の追悼から始まった花火大会
毎年7月に静岡市で開催される安倍川花火大会は、昭和28年に戦争犠牲者の慰霊と鎮魂、復興への祈りを目的に始まりました。夏の夜空を彩る花火には今もその思いが込められています。

●戦争を知らない世代に伝える「平和の語り部」
戦没者の御遺族を中心に組織されている静岡県遺族会では、学校などに戦争体験を語り継ぐ「平和の語り部」を派遣しています。
戦後80年の節目に平和を考えるきっかけづくりをしてみませんか。皆さまからの御依頼をお待ちしております。

その他の御遺族の声はこちらで(8月14日公開予定)
【HP】https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/shakaifukushi/senbotsusha/1075932.html

問い合わせ:静岡県遺族会 
【電話】054-261-7796 
【メール】[email protected]

■平和を誓う
●終戦80周年平和祈念式典
県と関係団体が主催する式典が、4月25日に行われ、御遺族など約550人が参列しました。
第1部では、平和の語り部4人が、戦没された御家族への思いや平和への願いを語りました。
第2部の静岡県戦没戦災死者春季追悼式では、鈴木知事が「未来を担う次の世代に平和の大切さを語り継いでいくことを誓う」と式辞を述べました。

●県の取り組み
県は追悼式の開催や全国戦没者追悼式などへの参列の他、戦争体験者や御遺族の思いを伝えるさまざまな活動を行っています。

▽全国戦没者追悼式
先の大戦の戦没者を追悼し平和を祈念する政府主催の式典。毎年8月15日に日本武道館(東京都千代田区)で行われており、県内からも代表者や御遺族の皆さんが参列しています。

▽沖縄「静岡の塔」追悼式
沖縄県糸満市にある平和祈念公園には、県出身の沖縄戦および南方諸地域の戦没者を祀る「静岡の塔」があり、毎年11月に県主催の追悼式を行っています。

その他の情報や取り組みの詳細はこちら
【HP】https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/shakaifukushi/senbotsusha/1072712/index.html

問い合わせ:県地域福祉課 
【電話】054-221-2318
【メール】[email protected]