- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県下田市
- 広報紙名 : 広報しもだ 2026年2月号No.802
■「間」を大切に
昨年末にある方から盆栽をいただきました。そのお宅の庭には黒松、五葉松、老爺柿など丹精込めて大切に育てられた鉢植えが所狭しと並んでいました。
さて、いただいた盆栽をどこに飾ろうか悩みます。種類によって引き立つ空間が必要で、その空間を探すのです。欧米の方は花を飾るとき豪華に華やかに飾ることを好むことが多いようですが、盆栽や生け花(華道)においては決してそうではなく、空間をつくることで草花の存在を引き立てているように思うことがよくあります。私が勝手にそう感じているだけかもしれませんが、書道、山水画や水墨画などの世界でも何かと空間が主張しているような雰囲気を感じることがあるのです。日本での日常の生活文化では古来より「間」が大切にされてきたようで、「間(空間)」にこだわることが好きだったようです。
ある先生に書道をご指導いただいた時(もう十数年も前になりますが)、ディバイダ(コンパスに似た両脚が針の製図用具)を使って、ミリ単位で余白(間)や画の寸法を指導され、なかなか合格させていただけなかったことを思い出します。墨の部分ばかりにとらわれず逆に余白(間)を意識し生み出すことも大切だというご指導でした。
日本語の文章にも句点「。」や読点「、」がありますね。文章に表現する時も話をする時も適度な間が必要で、そのあるなしで読みやすさや聞きやすさが大きく変わってくるものです。日本人の四季折々の豊かな生活環境から生まれる嗜好でしょうか、家の中にも居間、茶の間、床の間、応接間、欄間…。気付けば皆さんの周りには「間」が見え隠れしているんですね。この際ですから皆さんの生活にも「間」をつくって、一息ついてゆったり過ごしてみてはいかがでしょうか。ゆとりをつくって、深呼吸して。今年は午年、とかく急ぎ足の世の中になりがちですから。
