- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県岡崎市
- 広報紙名 : 市政だより おかざき No.1444 2026年1月号
■しめ縄
私には正月にしかできない「楽しみ」がある。近所を散歩しながら〈しめ縄〉を観察するのである。1990年から始めて暇があればやる程度だが、気がつけば30数年になる。下の図表は昨年の正月に観察したもの。しめ縄は伝統的なもので変わらないと思われがちだがそうでもない。
その一つは「和洋折衷型しめ縄」(図1)の登場である。この名称は私の勝手な呼び名で、一般には「リース風」などというそうだ。クリスマスリースの雰囲気があり、洋風の住宅には好まれるようだ。1990年頃に出始め、あっという間に広まった。私の観察では2007年には41%と半数に迫る勢いだったが、昨年あたりでは全体の25%ほどに落ち着きつつある。
もう一つの変化は玄関にしめ縄を飾らない家が増えてきたことだ。2017年は33%だったが、昨年は飾ってない家が51%と、ついに半数を超えた。なぜ飾ってないのだろうか…?
最近の金属製の玄関は釘も打てずしめ縄を付けづらい。ガムテープで貼る家もあるくらい(図2)。それならば、いっそ外ではなく玄関の内に飾ろうということもあるのではなかろうか?私の勝手な推論である。外に飾ってこそ歳神(としがみ)を迎えられるのだと正論を述べられるかたもみえるが、そのときどきの思いで変化してゆくものであろう。
かつては自動車にもしめ縄を飾ったものだ。私の1990年の調べでは約30%の車が飾っていたが、今では見かけない。伝統のなかにも流行あり。まだまだ私の正月の観察は続く。
文と図:考現学採集者 嶋村 博
考現学(こうげんがく):身近な風俗や社会現象を観察・分析・研究し、自分自身や現代人の生活を考える学問
※図表については本紙をご覧ください。
