くらし 〈特集〉12月3日~9日は「障害者週間」誰もが自分らしい生き方で

私たちのまちには、さまざまな人が暮らしています。
障がいのある方もない方も、お互いを理解し合い、支え合うことで、誰もが自分らしく暮らせる地域につながります。
今回の特集では、就労支援を行っている「AWひまわり」への取材を通して、誰もが自分らしく暮らせる地域について考えていきます。

■明日もここには働ける場所を AWひまわり
住吉町にある「AWひまわリ」は、社会福祉法人ダブルエッチジェーが平成24年に設立した就労支援事業所。「AW」は「明日もここには働ける場所をつくる」という想いを込めた造語「アスワーク」の略。障がいのある人が働くことが当たリ前ではなかった時代、働きたいと願う人が安心して働けるようにとの思いから生まれました。「ひまわリ」は、開設当初の地域活動支援センター時代の名を引き継いだものです。

■一人ひとりの想いに寄り添う
AWひまわリは、一人ひとリの「やリたいこと」「叶えたいこと」に寄リ添い、一緒に想像して、創造していくことを大切にしています。できないことを諦めるのではなく、どうすればできるかを一緒に考え、環境を整えることでサポートしています。
また、働くだけでなく、「働いた先にある生活の豊かさ」も重視。AWひまわりを管理運営している平岩さんは「社会経験が不足しているまま、社会人とされてしまい、働いてお金をもらうだけでは本人の幸福度は広がらない。漠然と働くのではなく、人生の中に『働く』がある。」といいます。土曜の余暇活動や部活動の参加は、利用者自身が申込や連絡を行ったり、自ら計画を立てて外へ出かける外出訓練を行ったりするなど、事業所を出た後に自立できるよう、自分で考え行動する機会をつくっています。

◎それぞれに合った方法や道具で、みんなで一緒に作業しています。

■地域とのつながり
「周りから、ボランティアの依頼など声をかけてもらえるようになった」と話す平岩さん。自ら地域行事に参加し、地域の方に困っていることがないか聞いていたこともありましたが、今では、地域行事のお手伝いなど声をかけてもらえるようになったそうです。地域行事に参加することで、地域に顔見知りが増え、利用者が社会に出た後の心のよりどころにもつながっています。

■「誰かにとって記憶に残る人になれたことが嬉しい」
ある日、かつて就労支援を通して社会に出た方が、仕事着のまま突然AWひまわりを訪ねてきたことがあったそうです。「仕事がしんどくて、どうしていいか分からなくなった。そんな時に平岩さんの顔しか浮かばなかった。」その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が熱くなったといいます。
「家族でも友人でもないのに、記憶に残る存在になれたことが嬉しかった」という平岩さん。支援の現場では、上手くいかないことも多く、利用者との関わり方が正しいのか、悩むこともあります。それでも、このような瞬間に、これまでの関わり方は間違っていなかったと感じるそうです。

■「特別」ではなく「普通」の関わりを
平岩さんは、障がいの有無に関わらず、人として向き合う姿勢を大切にしてきました。「特別、何かやるのではなく、手伝ってほしいと言われたら手伝う。できないことはちゃんと理由を伝えて断る。それをお互いに話し合って決めるのが合理的配慮なのではないかと思う」と最後に語りました。

■AWひまわり利用者さんの声
・苦手な作業もあったけど、先輩のやり方を真似したり工夫して、今は苦手じゃなくなりました。
AWひまわりで過ごす中で大切だと気づいたことは、あいさつ。あいさつをちゃんとすれば第一印象が良くなると思います。

・最初は大変だったけど、少しずつできるようになり、今は事業所内のどの仕事もできるようになりました。
保育園に行き子供たちと関わるなど、ボランティアにも積極的に参加しています。できることの幅が増え、やりがいを感じています。

・みんなが綺麗な道を通れるようにという想いで雁宿駐車場の清掃をしています。事業所内の清掃をする際も、みんながすべったりしないようにという想いでやっています。
みんなに喜んでもらえるのが嬉しいです。

■みんなに優しいまちに
令和6年4月1日から「合理的配慮」の提供が民間事業者にも義務化されました。
「合理的配慮」とは、障がいのある方から手助けを求められた時に、無理のない範囲で対応することです。これは、相手に特別なことをしてあげるのではなく、誰もが自分らしく生活できるよう、できる範囲でお互いに助け合うという考え方です。日常のちょっとした声掛けや工夫が、相手にとって大きな支えになることがあります。

例えば、こんな場面があります
・車椅子を利用している方が施設を訪れた時、スロープのある入り口まで案内する
・聴覚に障がいのある方には、筆談やタブレットを使って文字で伝える

◆障がいがあり、今悩んでいる方、困っている方へ まずは気軽に相談してください
障がいのある方やそのご家族等が地域で安心して生活できるよう、様々な相談に応じる窓口があリます。
半田市障がい者相談支援センター
【電話】21-5585
【FAX】23-7745
開設日時:月曜~金曜日
※年末年始(12月28日~1月4日)は休み
窓口相談:9時~17時15分
電話相談:8時30分~17時15分
(第3月曜日および火曜日は休みですが、電話・訪問の対応は可能です。)
相談方法:窓口、電話、FAX、Eメールのほか、訪問も行います。