- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県西尾市
- 広報紙名 : 広報にしお 2025年11月号
■物を大切にする島の文化 さくちく会の活動
四方を海に囲まれ、物が簡単に手に入らない佐久島には、布や道具を繰り返し長く使う、物を大切にする文化があります。島の各家には今も古い着物や反物が残っており、それらを生かそうと始まったのがさくちく会です。4年に活動を開始し、今年で4年目。手芸が好きな島民が月に一度集まり、古布で針山やポーチ、マスコットなどを作っています。
「布の柄はひとつひとつ違い、宝物のよう。知人の着物だと、特にぬくもりを感じます」と代表の山中さん。大切にされてきた布は、思いを引き継ぎ、新しい形に生まれ変わります。制作時間は、畑の話や日常の出来事などを語り合う和気あいあいとした雰囲気。「同じものを作っても表情が違い、個性が出るのが面白い」と共同代表の江本さんは語ります。
作品は年2回の「39(さく)の市」で販売されるほか、島にある「佐久島おみくじガチャ」の景品にもなり、観光客の土産物としても人気。「かわいい」という声や「お客さんが使っていたよ」と人から聞いたりすると、次の作品への励みに。「今後は制作を通じて島外の人とも交流できたら。でも、島の人との居心地の良い場を無理なく、長く続けていきたい」と江本さん。古布を受け継ぎ、新しい形へと変えていくさくちく会の活動からは、島の暮らしを大切にする気持ちが伝わってきます。
▽佐久島おみくじガチャ
内容:おみくじとさくちく会制作のキーホルダーが入ったカプセルが出てきます。
費用:300円
問合先:佐久島振興課
【電話】72・9607
(さくナビ内)
