- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県西尾市
- 広報紙名 : 広報にしお 2025年12月号
■全国屈指の強豪校 平坂中学校 剣道部
部活動の仲間は家族のような存在

「ヤー!」と気合いを入れる、雄たけびのような甲高い声が響く武道場。相手に一瞬の隙も見せないような集中力で練習しているのは、平坂中学校剣道部の皆さんです。
剣道が盛んなことで知られる西尾市。毎年さまざまな中学校が全国大会に出場している中、平坂中学校剣道部は男女合わせて27回の全国大会出場を誇る、市内でも屈指の強豪校です。「幼稚園の頃、迎えを待っていた時に、体育館の隙間から見えた剣道部の練習がかっこよくて、剣道を始めた」と小さいころから剣道を続けている部員もいます。
そんな全国の舞台で活躍する平坂中学校剣道部ですが、昨年の県大会決勝では、男女ともにまさかの敗戦。「とにかく悔しかった。試合前からプレッシャーが凄く、本来の力が出せなかった」と女子主将の鈴木さんは話します。リベンジとして迎えた今年。「昨年とは違い、なぜかみんなが笑っていたんです。自信がある顔つきだったし、プレッシャーすらも楽しんでいたので、絶対に優勝できると思った」と振り返ります。予想は見事的中し、8月の第55回全国中学校剣道大会に、男女とも出場。女子はベスト16に進出するなど、輝かしい成績を残しました。
試合の結果だけでなく、それまでの過程も大切にしているという平坂中学校剣道部。武道場には、個人や部の目標がびっしりと書かれたホワイトボードがあり、各自の目標を可視化して、モチベーションを高めています。また、部活動以外にも掃除やあいさつなど、日常生活の基本も大切にしています。顧問の福間先生は「向上心が高く、休憩時間でもミーティングをし、部に足りないことを自分たちで考え、共有している」と生徒たちの自主性を評価します。
平坂中学校剣道部を語るのに欠かせないのは何といっても明るい雰囲気。男女とも仲の良さは抜群で「過ごしてきた時間が長く、友達というより家族のような存在」と今夏で引退した後藤さんは話します。自身の勝利で全国大会への切符をつかんだ榊原さんは「調子が悪い時も、誰かが必ず声をかけてくれる。みんなの存在が力になり、実力以上の力が出せる」と少し恥ずかしそうに感謝の気持ちを語ります。「結果が出ない時、何度も辞めたくなった。だけどそんな時、そっと寄り添ってくれた」と実の家族の存在も大きいそうです。
「目標は日本一。立ち止まりそうな時でも、支えてくれる仲間がいる。みんなで笑って終われたら」と話す部員たち。1年後に迎える夏の大会に向けてより一層絆を深め、日本一をつかむその日まで、平坂中学校剣道部の物語は続きます。
