- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県小牧市
- 広報紙名 : 広報こまき 令和7年10月号
■当院の代表的な泌尿器疾患
泌尿器科 部長医師:木村 亨
▽前立腺がん
当院は愛知県の地域がん診療連携拠点病院の一つであり、当科でも多くのがん患者を診療しています。中でも前立腺がんは、日本人男性で最も多いがんとなっています。早期であれば手術や放射線治療で完治することもできますし、悪性度が低ければ無治療で様子を見ることもあります。がんの中では比較的予後が良い方が多いですが、進行すれば治療が難しくなります。他の多くのがんと同様に初期は無症状です。早期発見にはがん検診が重要です。前立腺がん検診は血液検査(PSAを測定する)だけで、手軽なので検診をお勧めします。市民で50歳以上の方は、市が実施するがん検診を受診できます。
▽膀胱がん
喫煙者のがんといえば肺がんを思い浮かべる方が多いと思いますが、医療従事者の間では膀胱がんも有名です。喫煙歴のある人は、喫煙歴のない人と比べて2~4倍くらい膀胱がんになるリスクが高いと言われています。
膀胱がんの初発症状としては無症候性(無痛性)の肉眼的(目で見て分かる)血尿が特徴的です。初期の膀胱がんの血尿は出たり止まったりしますので、痛みが無いから、自然に止まったからと安易に自己判断せず、病院を受診することが肝要です。
▽尿路結石
尿を作る腎臓、腎臓で作られた尿を膀胱へ運ぶ尿管、尿をためる膀胱、膀胱から体外までの通り道である尿道、これらを総称して尿路といいます。この尿路にできる結石を尿路結石といい、その部位によって、腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石に分類されます。
結石は主に、腎臓と膀胱で生じ、それらが動いて尿管や尿道にはまり込むと、尿管結石や尿道結石となります。腎結石の多くは無症状ですが、尿管結石は激しい痛みや血尿を伴うことが多く、救急外来を受診される尿路結石の患者さんの多くは尿管結石です。一部の結石には内服薬で溶けるものもありますが、殆どの結石は溶けません。小さなものは自然排石されるのを待ちますが、大きなものは手術が必要です。尿管結石は痛くても、それだけで命が脅かされるようなことはありませんが、これに細菌感染症を合併すると非常に危険です。しばしば重篤な状態に陥ることがあり、死亡する方もいます。糖尿病を患っている方や、免疫を抑える薬を飲んでいる方などは、特に注意しましょう。
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