くらし 市長コラム vol.5

■中山間地域の農業
今年は米価の消費者価格の大幅な高騰もあり、コメの生産をはじめとする農業を取り巻く環境について、あれこれ考えさせられました。市の学校給食では、週に3回ご飯の日があり、年間約500俵のお米を炊飯提供しています。4月からお米が60%の大幅な価格上昇となり、その他の食材の高騰も含めて、一食当たりプラス30円の負担が必要となりましたが、この価格上昇分が保護者の負担にならないよう、令和7年度は市費でまかなっています。
さて、市内の田んぼは約1,400ヘクタールあり、そのうちコメの作付面積は、900ヘクタールほどで、その他は飼料用などへの転作や、保全管理、未耕作地です。作付面積の多くは、小規模な兼業などによるもので、コメ作りは自分の代限りと考えて田んぼを守っている方も多く、新たな担い手が見つからなければ、遊休農地になりかねません。農家の平均年齢が70歳近いことからも5年先を見据えると、今後中山間地域のコメの生産を守れるかどうかの岐路に立っていると言えます。
地域農業の課題は、耕作者の高齢化と後継者不足、農業所得の低さ、草刈り、小規模な区画の田んぼが多いことや、山間地に立地する不利な耕作条件による生産効率の低さ、有害鳥獣の被害による営農意欲の減衰などがあげられます。なによりも次世代の後継者が、コメの生産で生計を立てられる仕組みを構築できない限り、耕作面積を維持していくことは不可能です。コメ生産農家の所得増を最優先に考えた国の農業政策に強く期待し、関係機関へ要望をしているところです。

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