くらし 市民病院発 ほのか診察室206話

■9月9日は救急の日
監修 市民病院 医事課

◇応急手当の重要性
けが人や急病人が発生した場合、その場に居合わせた人が応急手当てを速やかに行えば、救命効果の向上につながります。
実際の救急現場でも、その場に居合わせた人が応急手当を行い救急隊に引き継ぎ、尊い命が救われた事例が数多く報告されています。
応急手当の目的は「救命」「悪化防止」「苦痛の軽減」です。その中でも救命を目的とした手当てが最優先です。できるだけ苦痛を与えない手当てを心がけ、励ましの言葉をかけてあげましょう。

◇救命の連鎖
急変した傷病者を救命し、社会復帰するために必要となる一連の行いを「救命の連鎖」といいます。「救命の連鎖」を構成する4つの輪がすばやくつながると救命の効果が高まります。

◇救命の連鎖
(1)心停止の予防
子どもの突然死の主な原因はケガ、溺死、窒息などがあります。危険な場所には近づけさせないなどの予防策で、リスクを減らすことが大切です。
成人の突然死の原因は急性心筋梗塞や脳卒中です。これらの初期症状に気づいて、少しでも早く救急車を要請することも重要です。

(2)心停止の早期認識と通報
突然倒れた人や反応のない人を見たら、ただちに心停止を疑ってください。心停止の可能性があれば大声で応援を呼び119番通報とAEDの手配をしてください。

(3)一時救命処置
止まってしまった心臓と呼吸の動きを、心肺蘇生法やAEDの使用によって助けます。心臓が止まると脳の血流低下により15秒以内に意識がなくなり、3~4分以上そのままの状態が続くと回復は困難になります。心臓が止まっている間、心肺蘇生によって脳や心臓に血液を送り続けることが、心臓の動きが戻った後に後遺症を残さないためにも重要です。

(4)二次救命処置と心拍再開後の集中治療
救命救急士や医師が薬や器具などを使用して心拍再開を目指します。心拍が再開したら、医師による集中治療により社会復帰を目指します。

◇救命講習を受講して応急手当を学ぼう
心臓が止まってしまうような重大な事故は、いつ、どこで、何が原因で起こるか分かりません。心臓と呼吸が止まってから時間の経過とともに救命の可能性は急激に低下しますが、心肺蘇生やAEDの使用により救命の可能性はおよそ2倍になることが分かっています。
119番通報があってから救急車が現場に到着するまで約10分かかります(令和5年中の全国平均)。傷病者を救うためには、何よりもまず、多くの人が救急手当の知識と技術を持つことが必要です。

問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
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