- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県新城市
- 広報紙名 : 広報しんしろ ほのか 令和7年12月号
◆桜淵の石灰岩とコケ植物
桜淵は、新城市指定名勝であるとともに、県立自然公園にも指定されており、多くの人が訪れる人気の名所です。名前のとおり桜と淵をもつ景勝地で、全国に桜の名所は数多くありますが、桜と渓谷美の両方を楽しめる場所は多くありません。
実は、桜淵は県内では数少ない石灰岩の露頭がみられる場所でもあります。川に架かる笠岩橋を南に渡った上流には、「蜂の巣岩」と呼ばれる石灰岩の岩壁があり、その川岸には豊かな林が広がっています。
石灰岩のある環境では、石灰岩地を好むコケ植物(好石灰岩性のコケ植物)がみられます。桜淵でも、コハイヒモゴケ、タチヒラゴケ、ツクシツヤゴケ、ハリイシバイゴケなどが確認されています。かつてはキブリハネゴケやセイナンヒラゴケといった種も記録されていましたが、環境の変化により数が減っています。さらに桜淵の石灰岩には、好石灰岩性ではないものの希少なマルバホウオウゴケが生育していることが記録されており、県内唯一の産地となっています。
桜や渓谷の雄大な景観に加え、足元に広がる小さなコケの世界にもぜひ目を向けてみてください。きっと桜淵の新たな魅力に気づくことができるでしょう。
問合せ:鳳来寺山自然科学博物館
【電話】35-1001
