- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県大府市
- 広報紙名 : 広報おおぶ 2025年12月1日号
■雑念を払い、気合に満ちた「今」を 麦田達弘さん
こどもたちの掛け声と竹刀の音が響く、少年剣道クラブ。ひときわ気合の入った大きな声で指導を行うのは、麦田達弘さん(64歳・教士七段)。中学校の部活動などで指導者として活動しながら自らの修練も積み、10月に開催された「ねんりんピック岐阜2025」に、愛知県代表チームのメンバーとして出場しました。全国から68組が参加し、愛知県代表チームは見事、大会9年ぶりとなるベスト16入りし、敢闘賞を受賞。ベテランぞろいの大会で、緊張感のある対戦が続いたと話します。
麦田さんの剣道との出会いは6歳の頃。京都にある剣道の聖地・武徳殿の近くで暮らしていたため「剣道を習うのが当然の環境で。でも、幼い頃は渋々練習することもありましたね」と笑います。しかし徐々に頭角を現し、剣道の名門高校に進学。全国を目指す高校での鍛錬の日々は本当につらかったと話します。卒業後は実業団に入り、京都代表として、五大都市大会三段以下の部で個人優勝も果たします。その後、生活環境の変化により剣道から離れますが、大府市に転入した30代の頃、再び道場に足を踏み入れます。
昇段を重ね、現在は指導者の1人として後進の育成にも当たる麦田さん。多くの教え子たちの成長に目を細め、気さくで朗らかな印象ですが、稽古では厳しく、一切手を抜きません。武道を修める者としての気合や礼儀作法、他者に敬意を払う大切さを自ら体現しながら、こどもたちにしっかりと教え込みます。技術面においては、一つ一つの動きを丁寧に確認し、細かな所作まで目を配って稽古を付けるので、指導する側にも得るものが多いと話します。
麦田さんにとって剣道での学びは人生そのもの。「雑念を払い、気合を入れて、目の前のことだけに立ち向かう大切さを学びました。人生には、過去を悔やんだり、未来に不安を感じたりすることがあります。その気持ちを手放して、今この一瞬に全力を注げば、必ず前進できると実感しています」と話します。
現在も八段に挑戦中で、手ごわい壁だと言う麦田さん。自らの目標を高く持ちながら、大府の剣道界を率いていきます。
