文化 柴田市長コラム 足下(そっか)に泉あり!vol.30

■愛知万博の記憶 ID:34636

10月13日に、184日間にわたった「2025年大阪・関西万博」が幕を閉じました。テーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」は、多くの子どもたちの心に種子となって残りました。
そこで、愛知県民として思い出されるのは、2005年の愛知万博。テーマは「自然の叡智」でした。テーマだけを見ても、この20年間の社会変化を感じ取ることができます。従来の国威発揚型から理念提唱型へ舵を切った愛知万博では、人類共通課題は「環境」でした。AIやバイオの革新に直面する時代の今回は、根源的な「いのち」を未来社会はどのような形で融合するのか、問うているようです。いずれにしろ、万博のテーマは、開催意義そのものということですね。
さて、愛知万博まで時計を巻き戻します。名古屋鉄道秘書室の課長だった私は、当時の会長(以下、ボス)が名古屋商工会議所会頭であったために、担当秘書としては日常業務と万博フルアテンドで会期中の半年間はほぼ休みはなく、会場入りは50回を優に超えました。
一例です。瀬戸線始発で出社、資料を抱えてボスを迎えに。車内でレクチャーをしつつ、ナショナルデーのイベント参加。午餐会後、ボスには自宅で休憩してもらい、私は会社で事務処理。夕方には再度迎えに行き、晩餐会やらウエルカムパーティーに出席です。お開きになったらボスを送り届けて、帰社。翌日の準備をして帰宅ですから、ほぼ終電車。また、国際親善の場なので夫人同伴イベントも多く、ボスの奥様が熱中症で倒れられたときは青ざめました。強引に車を回して屋外イベント会場から迎賓館へ。水分補給の応急処置で何とか復活してもらえ、来賓とのランチはセーフのまさに綱渡り。超メガ激務ながら、今から思えば夢のような一年でした。