文化 文化財シリーズNo.91

■大型廻船(かいせん)の必需品…船箪笥(ふなだんす)
日本で海運業が発展し始めた江戸時代から明治時代にかけて、大型廻船(俗にいう千石船)で使用した道具のひとつに“船箪笥”があります。
船箪笥は懸硯(かけすずり)、帳箱(ちょうばこ)、衣装箱と大きく分けて3種類があります。懸硯、帳箱は一種の金庫です。
船箪笥(懸硯)は、廻船内に持ち込むことが可能な現在でいう手提げ金庫のようなもので、現金や船頭が航行に必要な重要書類、印艦などの貴重品類を収めることに使う道具の一種です。形状は、全面を鉄金具によって張り巡らさた装飾が特徴で、長い航海においての荒海でも破損に耐えられるように頑丈に作られています。
船箪笥は、日本の家具の中でも特異的なデザインとサイズで豪華に仕上がっているものも多くありました。

*日本最古の船箪笥は、北海道函館市立博物館に所蔵されています。
*船箪笥について興味のある方は下記の書籍をご覧ください。
『柳宗悦集:私版本第3巻船箪笥』
柳宗悦[著]春秋社(1974.5)

サイズ:横47.4cm×縦39cm×奥45cm
所蔵:美浜町教育委員会
※詳しくは本紙をご覧ください。

問合せ:生涯学習課
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