くらし つながり、かがやく三重の未来

三重で地域の発展や課題解決に貢献している人・団体を紹介

松阪市 愛と平和のアーティスト 奥亀屋(おくかめや)一慶(いっけい)さん
関心のある人物と出来事を混ぜ合わせた世界を油絵で表現する知的障がいのあるアーティスト。NPO法人希望の園(その)所属。
2024年第23回三重県文化賞・文化新人賞受賞。

■世の中に、愛と平和を届けたい!
▽油絵を描いたきっかけは?
小さい頃から絵を描くのが好きで、2015年から希望の園の園長の村林さんが主宰するアトリエ「HUMAN(ヒューマン)・ELEMENT(エレメント)」で制作しています。もともと油性ペンで絵を描いていたんですが、希望の園の先輩で尊敬する川上画伯が油絵をやっていた影響で、一慶も2019年に油絵に転向しました。油絵は、ペン画と違って、色を重ね塗りしていくので、自分の色を出せるところが魅力だと感じます。現在は、全国各地の展覧会に出展したり、企業などから依頼を受けて絵を描いたり、イベントに出演したりしています。

▽絵を描くときのこだわりを教えてください
展覧会の締め切りなど時間に追われた時に、一慶が思う色がなかなか出せなくなった時は、大変だと感じますね。でも、どんなに大変でも、他の人の真似をしてしまったら、もうそれは一慶の絵ではなくなってしまうので、自分にしか描けない絵を描くことが大事だと思っています。絵が売れたときは、やっぱりうれしいですし、一慶の絵をたくさんの方に見てもらえたらいいなと思います。
趣味はレコードを集めることで、政治や社会情勢にも興味があります。いつもレコードを流して、印象に残ったニュースのことを考えながら絵にしています。最近は、ウクライナ侵攻やイスラエル問題に関心があるので、戦争に関する絵を描くことが多いですね。ジョン・レノンさんが、愛と平和を願って「イマジン」という曲をつくられたように、一慶もそういう絵を描きたいと思っています。

▽今後の目標を教えてください
歌うのも踊るのも好きで、ライブイベントに出演したり、見に行ったりしています。あるイベントで、女装して、歌でごみのポイ捨て撲滅を訴えている人がいたんです。その人を見て、「すごいな!」と感動して、一慶もやってみたいと思って、「屋久島 洋子(やくしま ようこ)」という名前で、ごみのポイ捨て撲滅活動を始めました。毎日ごみ拾いをしたり、拾った空き缶でつくったスーツを着てポイ捨て禁止を訴えたりしています。絵で社会に訴えるだけじゃなくて、実際に行動することが大事だと思います。「やりたいと思ったら、とにかくやってみる。」それが一慶のやり方です。一度塗って終わりじゃなく、二度、三度塗って仕上げていく油絵のように、何度でも挑戦することが大切だと思います。
今後の目標は、村林園長が絵を学んだドイツで、一慶の個展を開くこと。これからも色々なことにチャレンジしていきたいです。

屋久島洋子が出演するインクルーシブマルシェ~みんなこれでいいのだ~が、11月1日(土)ダイセーフォレストパーク(鈴鹿青少年の森)にて開催されます。ぜひ、お越しください!