- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県伊勢市
- 広報紙名 : 広報いせ 令和7年12月1日号
■蓮台寺柿を後世に残すための課題
課題(1)
後継者不足
大西さんのインタビューにもあったように、蓮台寺柿の栽培は、70代から80代前半が中心に行っており、後世へ蓮台寺柿を残していくためには、後継者づくりが必要になります。しかしながら、令和6年に市が実施した蓮台寺柿農家へのアンケートでは、回答者のうち約6割は、後継ぎがいないと回答するなど、後継者がつくれていない農家が多くあるというのが現状です。
課題(2)
収益性が低い
同アンケートでは、柿1個当たりの単価が平均で68円であるということが分かりました。一方で、希望する販売単価の平均は140円であり、実際の販売単価と比べ、2倍以上の差があります。枝の剪定(せんてい)、摘果作業、夏場の草刈り、収穫などの作業も重労働であり、運営や管理が大変である中、それに見合った収益を得られていないと感じる農家さんも少なくありません。
課題(3)
3分の1が売り上げにつながらない
生産者への聞き取りなどから、柿の木1本当たりのおおよその生産量の割合を計算すると左の図のようになります。約3分の1は、摘果作業で果実が成長する前に摘み取ったり、成長をしても過づくし(熟れすぎてしまうもの)になったりし、売り上げにつながっていません。今後、このような柿をうまく活用することができれば、価値が0だったものから、新たな収益源を生み出すことができます。
柿の木1本あたりの生産量の割合(参考値)

◇蓮台寺柿の認知度向上を目指す
持続的な生産体制の構築や運営をしていくためには、既に売り上げにつながっている柿の単価も上がり、安定的に収益を得ることも大切です。そのために、市民の皆さんだけでなく、市外・県外の多くの人にも蓮台寺柿が「伊勢にしかない魅力的なもの」であることを知ってもらう必要があります。
■コラム これからは、干し柿が楽しめる!
干し柿づくりは、寒さが増す11月中旬ごろ以降に盛んになります。蓮台寺柿の干し柿は、一般的な干し柿のような果実をまるっとつるして作るものとは違い、4等分や6等分などに切りわけ、平かごやざるの上に平置きにして干す手法で作られています。
◇生産者さんに教えてもらった簡単アレンジ
そのまま食べてもおいしい干し柿ですが、小さく刻んでヨーグルトに入れたり、チーズと一緒に食べてもおいしいとのことです。ぜひお試しください!
■蓮台寺柿を後世へ残すため、
持続できる生産・運営に向け、課題解決に挑む
伊勢市は、伊勢市蓮台寺柿産地協議会を令和7年に発足させました。
蓮台寺柿を後世へ残していくために、民間企業や生産者(産)、自治体(官)、大学(学)の産官学が連携し、さまざまな取り組みを進めていきます。
◇一緒に盛り上げる仲間づくり
蓮台寺柿のブランディング強化を図るべく、蓮台寺柿の新たな楽しみ方やさらなる魅力の向上に向けて、市内外の事業者と連携し、蓮台寺柿を使った新商品の開発に取り組んでいます。
令和6年度から市内事業者の協力のもと、蓮台寺柿を使った商品が続々と誕生しています。また、市内の飲食店においてもメニュー開発に取り組んでいただいています。
今後も、蓮台寺柿の魅力を余すことなく感じていただくため、一緒に取り組む仲間づくりを進めていきます。
モグラカフェ
パン屋 麦
caféPei(カフェ ペイ)
伊勢とり里
comugi(こむぎ)
EKA GELATO(エカ ジェラート)
ひみつビール
若松屋(開発中)
紅谷(開発中)
※時期によっては販売されていない商品もありますので、ご注意ください。
※11月10日時点の開発商品の一例です。
■蓮台寺柿の魅力を届ける
蓮台寺柿の魅力、地元食材や農業の大切さを知ってもらうために、周辺地域の小学生を対象に食育体験を行っています。渋抜き前後の柿を食べ比べて、味の違いを体感してもらい、その後、自分たちで柿を収穫し、渋抜きの体験もするなど、蓮台寺柿について知る機会となっています。
蓮台寺柿の魅力を発信するため、伊勢市蓮台寺柿産地協議会のホームページとSNSを開設しました。さらに、より愛着を持ってもらうために、蓮台寺柿のキャラクター「れんだいじ かきのきふれんず」が誕生しました。
蓮台寺柿の生柿としてのシーズンは、11月中旬で終わりましたが、今後も多くの仲間と蓮台寺柿の魅力づくりをし、その魅力をお届けします。来年の蓮台寺柿のシーズンには、伊勢市の食べられる天然記念物「蓮台寺柿」の魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。
問合せ:農林水産課
【電話】21-5645【FAX】21-5651
