文化 歴史博物館へ行こう【12月】

5万点を超える収蔵資料で学芸員おすすめのイッピンをご紹介します。
大河ドラマなどで話題となっている江戸時代の出版事情。その象徴の一つである浮世絵は、木版刷りで大量生産されたことから、当時の人々にとって身近なものとして親しまれていました。特に江戸時代の主要な街道である東海道は、多くの浮世絵師によって画題に取り上げられています。今回ご紹介するのは、文久3(1863)年に将軍徳川家茂の上洛を描いた「御上洛東海道」シリーズの中から坂下を題材にしたものです。床几に座った家茂が筆捨山とその山頂から流れ落ちる滝を眺めている様子が描かれており、よく見ると将軍の周りに座る家臣たちも顔を上げ、その景色に見とれています。筆捨山の美しさが人々の動作からもよく表現されている作品です。

歴史博物館ホームページでは、館蔵浮世絵展のWEB図録を公開しています。浮世絵を見ながら街道散策を楽しんでみてはいかがでしょうか?

筆捨山の美しさに家臣もにっこり
歌川芳虎「東海道坂ノ下」(館蔵、江戸時代後期)

令和7年10月1日から令和9年3月31日まで休館していますが、寄贈、寄託のご相談は受け付けています。
詳しくは、歴史博物館へご連絡ください。

問合先:歴史博物館
【電話】83-3000