くらし 【特集】みんなの思いを カタチに 出会いと対話からはじまる亀山のまちづくり(1)

4月12日、市が現在進めている次期総合計画の策定に向けて、若者世代の意見を聴くことを目的に「亀山の未来を考える『カメトーク』」が開催され、40歳未満の21人が「10年後の亀山市に期待すること」を主なテーマに意見交換を行いました。
結婚や仕事をきっかけに移住された人や学生などの皆さんから、交通の便、働く場所、通学路・歩道の安全などの問題・課題について意見が出された一方で、ゆったり過ごしやすい環境、人の優しさなど本市のいい点が挙げられました。また、「みんな日々いろんなことを思っているけれど、声を上げる機会や場がない」との意見もありました。
今回は、市が目指す将来都市像や目標・政策をまとめた「総合計画」に多様な世代の意見をもっと反映できるよう、私たちが住む“まち”について考えます。


亀山市では、平成19年6月に、市民、公共的団体、学識経験者等の25人のメンバーから構成される「亀山市まちづくりの基本を定める条例を考える会」を立ち上げ、100回を超える検討を経て、平成22年4月1日に「亀山市まちづくり基本条例」が施行されました。
この条例は、亀山市が、ここに住む一人ひとりが生き生きと輝き、幸せに暮らすことができるまちになるよう、市民、市議会、執行機関(行政)の三者がそれぞれの役割を明らかにした上で、力を合わせていいまちをつくっていくための基本理念やルール・約束事を定めたものです。前文に始まり、市民・市議会・執行機関の権利や責務を定めるほか、まちづくりを行う際の9つの基本原則などが示されています。

「亀山市まちづくり基本条例」について詳しくはこちら
※QRコードは、本紙P.2をご覧ください。


亀山市まちづくり基本条例推進委員会
会長 岩崎恭典さん

■私たちは過去にとらわれてはいけない時代にいる
子どもの数が少なくなったなぁとか、お年寄りがますます増えたなぁ、また、空き家が増えたなぁなどと地域の少子・超高齢化を私たちは実感せざるを得ません。すでに30年も前に、日本全体として15歳から64歳のいわゆる生産年齢人口はピークを迎え、20年前には日本人の人口もピークに達し、その後、双方ともに急激に減少しています。昨年は、日本全体で四日市市と鈴鹿市を合わせた以上の人口が減っています。それだけに、人口減少に伴う諸課題は、働く人の不足やそれを補うための外国にルーツを持つ人々の定住化といったことだけで解決できるものではなく、これまでと同様の形で市民が望むサービスを市が提供することが難しい状況に立ち至っています。
だからこそ、人口増加が経済的な成長とリンクし、成功体験として強く印象付けられている前の時代とは全く違った社会を今後作っていく先駆けとなるべきは、まさにその時代を生きてきた、つくってきた人々、すなわち、シニア世代の方々にほかならないのです。

■市民にも覚悟を求める「まちづくり基本条例」
亀山市では、本格的な人口減少社会が早晩来ることを想定して、100回を超える市民参加による検討を重ねて策定された原案をもとに、平成22年、「亀山市まちづくり基本条例」が制定されています。これは、人口減少時代に対応して、市の執行機関や議会、市民が果たすべき役割を明らかにし、共通の目標をもって「協働」して、今後起きるであろう課題を解決していこうという覚悟を示すものです。
そして、この「協働」による「公共」の再構築という作業は、人口減少社会しか知らない初めての世代である今の現役、子、孫世代のために、シニア世代ができる唯一のプレゼントなのです。

■総合計画と地域まちづくり協議会 次世代も「自分事」としてぜひ参加を!!
「協働」を亀山市全体で進めるためには、世代を超え、地域を超えた市全体に共通する目標が必要です。その目標となるものが総合計画です。今、亀山市では、次期総合計画の策定作業に入りつつあります。今後、さまざまな市民参加手法が取り入れられるはずですが、残念ながら、策定に際してのアンケート調査やパブリックコメント、そして、審議会の公募委員などにおいて次世代の参加があまり見られないことが残念です。
総合計画で示された課題をより身近な場所で具体的に解決していく仕組みとして、亀山市ではおおむね小学校区ごとに地域まちづくり協議会が結成されています。子育て支援や学校支援、一人暮らしのお年寄りの生活支援など、個人が、団体が、世代を超えて顔の見える範囲での課題解決に取り組むために、「まちづくり基本条例」に設置根拠を持つ組織です。市も市民活動応援券「えがおカード」を活用した財政支援など、全国的にも先進的な取り組みをしています。身近なところで、誰もが持っている小さな「公」を持ち寄ることで、人口減少に対応できる社会をつくっていく。シニア世代も次世代の若者も、計画策定過程や地域まちづくり協議会の活動に、傍観者ではなく、当事者として参画することでしか今後の地域社会は持続できないのです。

問合先:政策推進課政策調整グループ
【電話】84-5123