- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県いなべ市
- 広報紙名 : いなべ市情報誌 Link 2026年2月号(vol.267)
令和7年度は今回で最終回となります。令和8年度も複数回を掲載予定。お楽しみに!
◆近世の産業や商業の資料を探しています
近世部会 編集委員 石原佳樹
いなべ市史編さん事業では、分野ごとに6つの部会が立ち上がり、近世部会では、江戸時代を中心とした史料調査が本格的に始まりました。旧町史編さん時に収集された膨大な古文書にも、改めて目を通す作業を進めています。従来の視点に加え、地域の特性や新たな問いをもとに、より立体的な歴史像を描き出すことを目指しています。
いなべ市の近世には、他地域とは異なる多様な営みが見られます。溜池の多さや新田開発、マンボと呼ばれる灌漑(かんがい)施設の築造、員弁川水系を生かした河川水運は、農業と流通の両面で重要な役割を果たしました。
桑名城下との経済的結びつきに加え、鈴鹿山脈を越えて近江国と結ばれた峠道は、物資と人の往来を支える通商路として機能していました。
また、治田鉱山の開発、文政年間の助成講一揆(いっき)、農村での石灰製造、入会山の権利をめぐる山論など、地域の資源と社会の緊張が交錯する場面も多く、歴史の奥行きを感じさせます。こうした営みの中には、まだ十分に解明されていない魅力が眠っているかもしれません。
私は特に近世の産業や商業に関心を持っていますが、商家の経営史料や商品流通に関する史料は少なく、市民の皆さまからの情報提供を心よりお願い申し上げます。古文書、商家の記録、地域の写真など、何気ない資料が歴史の扉を開く鍵となることがあります。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
問合せ:生涯学習課
【電話】86-7846
