文化 歴史の小窓(241)~学芸員のメッセージ~

■野洲市で出土した青磁(せいじ)-その意匠と美-
青磁とは素地(そじ)や釉薬(ゆうやく)が緑や青色系の色調となる磁器を指します。青磁は中国で生み出され、日本では9世紀以降に輸入されました。特に平安時代中期から鎌倉時代にかけては日宋貿易が盛んになり、日本からは金・硫黄(いおう)・刀剣などを輸出し、織物や青磁を含む陶磁器、銅銭を輸入しました。輸入した陶磁器は博多を経由し瀬戸内海を通ってから平清盛(たいらのきよもり)が整備した神戸(大輪田泊(おおわだのとまり))などで荷下ろしされ、京都や各地に運ばれました。
青磁には様々な文様を浅く刻んだものがあります。今回紹介するのは中畑・古里遺跡の土壙墓(どこうぼ)(人を埋めたお墓)から出土した青磁の碗です。これは12世紀中頃から後半にかけて中国浙江省(せっこうしょう)龍泉窯(りゅうせんよう)、またその周辺で生産された優品で、内面には蓮華文(れんげもん)を浅く刻んでいます。蓮華文はハスの花や茎を意匠化したもので中国や日本で好まれました。
その後、青磁の碗や皿は16世紀まで出土しますが徐々に生産が終了し、中国の景徳鎮(けいとくちん)などで生産された染付(そめつけ)(白い胎土(たいど)に青い模様が特徴の磁器)が主流となっていきます。
今回紹介した青磁の碗は博物館1階常設展示室で展示しております。ぜひ、ご観覧ください。
(博物館学芸員 渡邉貴洋)

※市民は入館無料(運転免許証やげんきカード等をご提示ください。)

問合せ: